世界が気づいた!サーモンの“万能性” 円安などの影響もあり輸入品は値上がり...そんな中で日本は『ご当地サーモン戦国時代』に 全国100か所以上で養殖
「サーモン」が今、値上がりしています。その背景や、そもそもサーモンとはどんな魚なのか、さらに日本で養殖されている“ご当地サーモン”など、取材した様々な情報をまとめました。 【写真を見る】レモンや牡蠣を食べるサーモンも!?各地のご当地サーモン
万能魚サーモン「成長が早い」「なんでも食べる」「卵も大きい」
ノルウェーからの輸入サーモンの価格の推移を見ますと、1kgあたり2020年は約883円、今年2024年は約1804円となっていて、ここ4年で2倍以上になっています。理由は、円安のほか、ウクライナ侵攻によってロシアの上空を航空機が飛べなくなり迂回するため輸送コストが高くなっているということが挙げられます。さらに、サーモンが万能魚であると世界中が気づき始めて“奪い合い”になっているということです。 食材としては、回転寿司で一番好きなネタとして13年連続1位(※マルハニチロ調べ)となっているサーモン。朝昼晩どの食事でも食べられている魚はサーモン(鮭)ぐらいではないでしょうか。サーモンは魚の臭み、クセが少ないということもあって万能といわれています。
さらに生物として万能な点は、1つ目に「成長が早い」こと。養殖では、稚魚から3か月~半年で出荷できるレベルに成長するということです。2つ目に「なんでも食べる」こと。サーモンは雑食だということです。マグロはおいしい魚しか食べないようですが、サーモンは雑食なため、例えば、大豆の搾りかすや鶏の羽などそういうものからでもタンパク質がとれるということです。もちろんそれだけではだめですが、カタクチイワシを細かくした魚粉とそういったものを混ぜ合わせたものを食べてくれるということです。 生物として万能な点の3つ目は、「卵(イクラ)が大きい」ことです。大きいということは1回に産む数が少ないということになります。他の多くの魚が卵をたくさん産むのは生存率が低いからです。大人になれる個体が少ないため、たくさん産みます。サーモンは少ししか産まず、卵一粒が大きいということは、一粒一粒が強いということです。成長をする可能性が高く、卵も養殖に向いていて、育てやすいそうです。 さらにサーモンはエサの量についても効率抜群。マグロは1kgの大きさに成長するのに、エサを約10kg食べる必要があるそうです。しかしサーモンは1.2~1.3kgを食べただけで、1kgの大きさになるということです。サーモンは川を遡上するときにエサをほとんど食べず、こうした性質から蓄えるということが得意だとみられます。こうした万能性に世界中が気づき始め、奪い合いになっているということです。