「どうして休日なのに仕事をしないといけないんだ!」28歳営業マン、上司からの大量「勤務時間外チャット」に”激怒の反撃”
つながらない権利
つながらない権利とは、勤務時間外や休日に、仕事上のメールや電話などの対応を拒否する権利のことで、2016年にフランスで労働法が改正された際に、「従業員50人以上の企業は、従業員が勤務時間外のメールなどを遮断する権利を有することを定款に明記すること」を義務付け、海外でも話題になった。 日本では、現在法律上つながらない権利の規制はない。しかし、社内外問わず勤務時間外や休日、長期休暇中などのメール、チャットなどへの対応を禁止するなどの対策を講じている企業もあり、従業員の業務負担や人件費を軽減する目的で、対策を取り入れる企業は増えると思われる。
A野さんのその後は…
甲社を辞めることを決意したA野さんだが、 「このまま引き下がるのは嫌だ。甲社長に話し、残業代をもらってから辞めよう」 と考えた。 そして次の日、A野さんは甲社長に現状を説明し、勤務時間外でチャットの応対と個人面談に要した時間の残業代を請求した。 甲社長は話を熱心に聞いてはくれたが、C村課長の指導方法を改善することや、残業代の支払いについては口をつぐんだまま。その態度にA野さんは怒りをぶちまけた。 「C村課長は社長のお子さんでこの会社の跡取りなので黙認するんですね。だったらこれから労働基準監督署に行って、残業代のことを相談してきます」 と言い、引き止める甲社長を振り切って部屋を出た。
木村 政美(社会保険労務士)