「どうして休日なのに仕事をしないといけないんだ!」28歳営業マン、上司からの大量「勤務時間外チャット」に”激怒の反撃”
ビジネスにおけるチャットツールの普及と問題点
「働き方改革」や人材不足への対処として業務の効率化を図る必要性があることや、新型コロナウイルスの影響によるテレワークの導入や出張の減少により、ビジネスチャットを利用する企業が増えた。Microsoft Teamsなどのビジネスチャットツールには1to1及びグループチャット、動画やファイル共有、タスク管理などのさまざまな機能が集約化されている。 ビジネスチャットツールを利用することで、次のようなメリットがある。 (1)社内での1対1、チーム、グループをはじめ取引先などとのリアルタイムな情報共有が可能なため、業務が効率化される。 (2)個別チャットごとに情報を管理(IDやパスワード、暗号化通信、ワンタイムパスワードなど)することにより、メールなどと比較して情報漏洩を防げる。 (3)ビデオ会議機能を活用することで、場所を選ばずに社内ミーティングや研修会への参加、顧客との商談などができるので、交通費や出張費などの経費削減につながる。 多くの企業で仕事上で欠かせないものになりつつあるビジネスチャットツールだが、業務を進める上でのデメリットもある。 (1)ビジネスチャットの通知機能により、メッセージの確認がリアルタイムで可能だが、即座の応答を繰り返すことで精神的な負担に繋がりやすい。 (2)時間の制約がない状態でチャットツールを利用した場合、本来の勤務時間外に業務対応をすることが増える可能性がある。 (3)チャット上で業務が進行するため、リアルなコミュニケーションが生まれにくい、意思の疎通が難しい、孤独感を助長するなどの問題が生じやすい。 上記(1)から(3)のケースでは、いずれも精神的なストレスからメンタルヘルス不調になることもある。「緊急性のある案件以外は即座の返信を強要しない」「勤務時間終了後や休日の通知機能はオフに設定する」など社内で運用ルールを定め、共有すること、リアルな業務指導やコミュニケーションの場を設けることが大切である。