修学旅行「2泊3日で中学7万、高校10万円」は負担が重い? 葛飾区は“無償化”で自治体格差も
◆修学旅行費用、中学で約7万、高校で約10万。経済的に断念する子も……
物価高の今、学費が家計に占める割合は決して小さくありません。そのなかでも修学旅行の金額は高く、家計へのインパクトも大きいものです。 【平均費用】修学旅行費用、国公立では6万9881円。私立中学は? 日本修学旅行協会の『教育旅行年報 データブック2023』の調査データ(2022年度分)によると、修学旅行の費用は、中学校が6万9881円でコロナ禍前(2018年度調査)より5431円増加。高校は10万5333円でコロナ禍前(2018年度調査)より2650円増加と上昇傾向でした。 修学旅行の費用は基本的に毎月積み立てていくため、一度に全額支払うわけではありませんが、やはり高いという印象でしょう。実際、経済的な事情を理由に参加を断念する子もいるそうです。 前述の調査でも、不参加の理由に「経済的」を挙げている人がいました。割合は中学校で2.7%、高校では3.3%と、数字だけ見るとそこまで高くはありませんが、「学校不適応」など別の理由に隠れていることもあるため、実際はこれより高い可能性もあるようです。
◆修学旅行って格安ツアーと比べて割高なの!?
ツアー広告では、京都旅行で3万9800円や4万9800円などという料金を見かけることがあります。それを見ると、「なぜ修学旅行は、2泊3日で6万~7万円もかかるのだろう」と疑問が湧いてくる方もいるでしょう。オーダーメードのせいか割高に見えます。 同協会 事務局長の高野満博さんは、「パッケージ商品は需要予測で売れない日程に最安値を設定し、お客さんを引き寄せます。最安値で比較するから高く感じるのであって、ゴールデンウイークやお盆はツアーでも安くありません」と説明してくれました。 通常の旅行の予約開始は1年前くらいなのに対し、修学旅行は1年半~2年前に手配するのが一般的です。スポーツイベントやMICE(会議・展示会など)、企業の周年行事なども早めに予約が入るそうです。パッケージツアーは、そのような予約がない日程で設定されているのだそう。 予約タイミングに加えて、料金に含まれる内容も違うと高野さんは続けます。 「格安ツアーは、交通費と一泊朝食付きホテルのみがほとんど。いっぽう修学旅行は、朝昼晩の食事、貸し切りバスやその添乗員、拝観料や入場料なども基本的に費用に含まれます。これらをノーマル運賃で足していけば、学生割引もあるため修学旅行の方が安くなるはずです。あとは修学旅行特有の費用として、保険や荷物の別送代も含まれています」