意外と知らないGoogleの「もうけの仕組み」 トヨタの5倍、NTTの25倍にのぼる、桁違いのある費用とは?
生成AIの開発競争が止まりません。「GAFAM」の一角・Googleも、ライバル・Microsoftを超える巨額の研究開発費を投じています。その規模は、日本のトップ企業とも比べ物になりません。いったいどのぐらいの金額なのか? 佐伯良隆『100分でわかる! 決算書「分析」超入門 2025』より一部抜粋・編集してお届けします。 【パッと見て理解】GAFAの一角・アルファベット社(Google)の直近10年の業績 ※アルファベットの財務諸表は、「百万ドル」単位で記載。ただし本文中の金額は、規模をつかみやすくするため「円」で表記している。金額は23年12月期末時点のレート(1ドル=141円)で換算。
■売上の8割は広告 収益性もドンドンUP! 検索エンジンの世界シェアの約9割を誇り、ビッグテックの一角として君臨するアメリカ・アルファベット社(Google)。近年は、マイクロソフト社とのAI開発競争でも注目を集める同社ですが、直近の業績はどうでしょうか。 過去5年分の損益計算書をみると、売上は1.9倍に拡大。当期(23年12月期)は過去最高の43.3兆円を達成しました。 決算資料(10-K)によると、同社の売上は、「Googleサービス」「Googleクラウド」「その他」の3つで構成。うち、サービスからの収益は前期比7.5%増の38.4兆円で、売上の88.7%を占めます。
サービスからの収益は、さらに「Google検索ほか」「YouTube広告」「ネットワーク」「サブスクほか」の4つのセグメントに分けられます(→下円グラフ)。 「Google検索ほか」は、Google検索、Gmail、Googleマップなどに表示される広告から得られる収入(※1)のことで、20年から21年にかけて一気に6.3兆円(42.9%)も増加(→下棒グラフ)。 ※1 同社の広告収入には、主に「Google検索ほか」で広告がクリックされた回数に応じて報酬が支払われる「ペイパークリック」と、「ネットワーク」のAdMob、AdSenseなどで広告が表示された回数に応じて報酬が支払われる「インプレッション」がある