【最高税率50%】最も重いペナルティ「重加算税」の対象になる…“ただの申告ミス”ならやってはいけない「税務調査での対応」【税理士が解説】
税務調査で課される加算税の中でも最も税率が高く、重大なペナルティ「重加算税」。重加算税が課されるのは、存在するものを隠したり、存在しないものをでっち上げたりなど、故意による隠蔽・仮装が行われた場合です。しかしその判断は非常に難しく、帳簿や書類の記載内容以外に税務調査での調査官への回答など総合的に「故意」であると判断されるため、調査官へ対応には十分注意しなければなりません。税理士法人松本が解説します。
税務調査で課される4つの加算税
無申告や過少申告などのように、納付されるべき税額が正しく申告されていなかった場合に加算税が課されます。 いわゆるペナルティ税ですが、加算税には以下の4種類に分けられ、それぞれ加算される割合が大きく異なります。 ●過少申告加算税 ●無申告加算税 ●不納付加算税 ●重加算税 それぞれ詳しく見ていきましょう。 ■過少申告加算税: 過少申告加算税とは、確定申告を期限内に申告して納税したものの、申告納税額が本来納めるべき税額よりも過少であった場合に課される加算税です。 過少申告加算税の場合は、新たに納税することになった金額の10%に相当する額が加算されます。 また、期間内に申告した納税額または50万円のいずれか多い金額を超えている場合は、超過分に対し15%の過少申告加算税が課されます。 ■無申告加算税: 無申告加算税は、確定申告の期限までに申告や納税を行わなかった場合に課される加算税です。 無申告加算税の金額は、原則として納税額に対して15%ですが、納付すべき税額が50万円を超える部分は20%課されます。 確定申告の期間は原則として毎年2月16日~3月15日となっていますが、たとえ期限後であっても税務調査前に自主申告すれば加算税率は5%軽減されます。 ■不納付加算税: 不納付加算税は、減税所得税の納付が納付期限までに行われなかった場合に課される加算税です。 納期限を過ぎ、税務調査が行われる前に自主的な納付をしたときには5%、税務調査での指摘により納付する場合には10%の追加納付が必要となります。 なお、納付が遅延する正当な理由がある場合や、納付期限から1月を経過する日までに納付し、過去1年以内において納付期限内に源泉所得税を納付している場合には、不納付加算税は課されません。 ■重加算税: 重加算税は、意図的に隠蔽や仮装などを行った場合に課される加算税で、4つの中で最も税率が高く、重いペナルティです。 故意に事実と異なる申告をしたり、申告漏れをしたりと、悪質性があると判断された場合、無申告加算税や過少申告加算税、不納付加算税に代えて支払う必要があります。 重加算税は、過少申告加算税・不納付加算税に代えて課される場合は35%、無申告加算税に代えて課される場合は40%です。 ■支払えない場合、最悪の場合は「財産差し押さえ」に 追徴課税を支払わず放置していると、督促状が届き、それでも払わない場合は財産差し押さえになってしまう可能性があります。 預貯金や金融資産はもちろん、土地や不動産、自動車、高級装飾品なども差し押さえの対象となり、強制的に回収されてしまうのです。 また、税金の支払いはたとえ自己破産しても免責にはならないため、必ず納めなければなりません。