「不安な人にこそ読んでほしい」 鈴木エイトが傍聴した『HPVワクチン被害』裁判レポート
不安や懸念を払拭することはできるか
HPVワクチンの副反応に関する情報が、世間一般レベルで更新されてこなかったことによって、ワクチン接種対象の当事者や保護者は不安を抱き続けてきた。 重篤な副反応が起こるのではないかという懸念が払拭されないまま今日まで来たことになる。 関西の医大に通う大学生が中心となってHPVワクチンに関する「正しい情報」を伝える啓発活動を行っている『Vcan』という学生団体がある。 中学校や高校、大学への出張授業も行っており、ワクチン接種を強要するのではなく、適切な情報を伝えて接種するか接種しないかを各自で判断してもらうというスタンスで活動している。 先に言及した『HPVワクチンforMe』含め当事者世代の学生たちの真摯な活動にメディアや社会がどう応えていくのか。HPVワクチン訴訟の原告女性たちをいかにして護っていくのか、われわれの社会が果たすべき役割は山積している。 筆者:鈴木エイト(すずき・えいと) 1968年、滋賀県生まれ。日本大学卒業。2009年創刊のニュースサイト『やや日刊カルト新聞』で副代表、主筆を歴任。カルト問題、そして2世問題などを精力的に取材し、統一教会に鋭く斬り込む最前線のジャーナリストとして活躍する。著書には『自民党の統一教会汚染』シリーズ(小学館)がある。「調査報道大賞」優秀賞「日本ジャーナリスト会議(JCJ)賞」大賞など受賞多数
鈴木エイト(ジャーナリスト・作家)