ファンアールトがいよいよ登場、ファンデルプールとの今季初顔合わせは残念ながらお預け【シクロクロス2024/25 WC第9戦 デンデルモンデ:プレビュー】
幸いにもワウトの方は──3日の夜時点の情報では──、今大会3勝目を狙って乗り込んでくる。現在ワールドカップ総合首位に立つファントゥレンハウトも、25ポイント差で2位につけるアールツも、貴重なポイントを積極的に獲りにくるはずだ。日本からも織田聖に鈴木来人、梶鉄輝、岡山優太、遠藤紘介と、今シーズンワールドカップ最多の5選手が参戦予定。
ただデンデルモンテの町外れの、寂しい野原に作られたコースは、ワウトが2連勝した時と必ずしも同じではない。なにしろ新しい大会だ。面白い戦いを作り上げようと、主催者は毎年コースのアップデートに余念がない。
例えば1年目はどちらかと言えば平坦基調だったのに対して、2年目にはブリッジ3+階段2+ヒル1+ウォッシュボード1+シケイン1+サンド1がぎゅうぎゅうに詰め込まれた。ワウトもマチューも欠場だった昨季第3回大会は、石畳さえも仲間入り。なによりこのコース最大の特徴とも言える極めて長い直線が、もっと長くなった。
肝心の今年は、さらに要求の多いコースに進化した。ブリッジ2+階段2+ヒル2+ウォッシュボード1+サンド1+石畳1と障害物は相変わらず満載で、チェイスにもってこいの直線も、いつもどおりに長い。その上レース中盤には、テクニカルなヘアピンカーブがいくつも付け加えられた。
ところが初回大会はコースこそ平凡だったかもしれないが、天候はまるで黙示録のようだった。コースはもはや泥沼で、あちこちに深い水たまりが出現した。草むらは水はけが悪くしゃばしゃば。上りも下りもつるつる。シンプルな直線路さえも、スリル満点だった。2回大会もまた濡れた路面の上で、同じ恐怖が繰り返された。一方でピム・ロンハール(オランダ)が制した3回目は、曇り空の下、路面状態はそれほど悪くはなく、むしろ階段とサンドの下りが戦いを左右した。
今年のコンディションは果たして!?5日当日の気温は比較的高いものの、朝から雨の予報だ。
文:宮本あさか
宮本 あさか
【関連記事】
- シクロクロス一行はジュラ山脈へ、「7つの丘に囲まれた町」で高速バトル予想【シクロクロス2024/25 WC第8戦 ブザンソン:プレビュー】
- 城を囲む森の深く重い泥とアップダウン、担ぎ区間での疲労は最小限におさえたい【シクロクロス2024/25 WC第7戦 ガーフェレ:プレビュー】
- ファンデルプールが砂地ダウンヒルでシーズンイン!【シクロクロス2024/25 WC第6戦 ゾンホーフェン:プレビュー】
- ヴォーバン星型要塞の「土塁」を攻略せよ!【シクロクロス2024/25 WC第5戦 フルスト:プレビュー】
- 岩山の上に築かれた中世の要塞都市で行われる「シタデル(城塞)クロス」は難所だらけ【シクロクロス2024/25 WC第4戦 ナミュール:プレビュー】