小さな里山の循環|アウトドアタウンときがわで里山遊び #11
小さな里山の循環|アウトドアタウンときがわで里山遊び #11
「アウトドアといえば、ときがわを思い浮かべるような”アウトドアタウン”にしたい! 」。そんな思いを抱き、地元の人を巻き込みながら日々さまざまな活動を行なう、野あそび夫婦のアオさんこと青木達也さんが、ときがわの自然の楽しみ方や、そこで暮らす魅力的な人たちなどを紹介します。
小さな里山の循環
私たちが運営するGRIDは、”木のまち”と呼ばれる埼玉県比企郡ときがわ町にお店がある。その呼び名の通り、町にはたくさんの木工所があって、運営していくうちに地元の木工職人さんや工場さんとの交流が増えたことで、お店には木工アイテムが数多く並ぶ。 たとえばこちらはOD缶のカバー。材料は木工場の作業工程で出る端材(チークやアカシアなど)を再利用したもので、一つひとつ色味や木目の違う木を重ねて作るから柄はどれも1点もの。家で使っていないガスバーナーがちょっとしたインテリアになるアイテム。 これはマルチな鍋敷き。こちらも木工場で使われずに放置されていた建具用の材(スプルースと呼ばれるアラスカの檜)を再活用したもので、建具(障子や襖など)の生産が主流だったときがわ町ならではの材料だ。ちなみに鍋敷きとしてもタオルハンガーとしても使える。3年ほど前に地元の木工職人さんと開催したワークショップのときに生まれたアイテムで、まさか新しくできたお店で販売するアイテムになるとは、当時は思いもよらなかった。 あとは、町の木の間伐材を使ったおちょこ。最初は桜の木で生産していたけど、せっかくなら町でたくさん植えられている杉を使おうということで素材を変更。ヤマザクラよりも木目がハッキリしていて、これはこれで良いなと。 気付けば地元木工所で出る端材を活用したり、地元の木材を使ったアイテムがお店に増えてきている。身近にあるものを使うと里山の資源が循環しているのが目に見えてわかるので、個人的にはそれがとても楽しい。小さな循環かもしれないけど、お店の運営とともに細々と続けていきたい。 最近だと、ときがわ町で新しいキャンプ場を開拓中のオーナーさんから立派な丸太を譲り受けた。それを今度はお店に立てて固定し、ハンモックの設営を体験できるスペースに活用しようと計画中。またひとつ小さな循環が生み出せそうだ。 ■Profile|青木達也(アオ)。 レンタル・レクチャー付きでキャンプ体験ができる施設「キャンプ民泊NONIWA」と、暮らしとアウトドアをテーマにしたお店「GRID」を埼玉県ときがわ町で運営。「野あそび夫婦」という夫婦ユニットでキャンプインストラクターとしても活動。監修「ソロキャンプ大事典」。
ランドネ編集部