会社の「パソコン」などの備品をうっかり壊してしまった場合、「全額自己負担」になるのでしょうか? 明確な基準はありますか?
会社で働いていると、故意ではなくともうっかり備品を壊してしまうことは誰にでも起こり得ます。会社に損害を与えてしまったとき、全額自己負担になるのか不安に感じる方も多いでしょう。 そこで本記事では、会社の備品を壊した際の弁償の有無や、負担額の基準について解説します。
会社の備品を壊してしまったときの弁償の有無について
会社の備品を壊してしまった場合、弁償が必要かどうかはケースバイケースです。従業員に過失があれば、企業が損害賠償を求めること自体は違法ではありませんが、企業は業務に伴うリスクを負う立場にあり、過失があっても従業員の責任が軽減されるケースがあるようです。 特に裁判では、従業員に対する損害賠償が制限されることが多く、万が一賠償が発生しても、給与からの天引きは禁じられています。 ■損害賠償義務が発生するケース 従業員が会社に対して損害賠償義務を負うのは、過失や故意に会社へ損害を与えた場合だといわれています。 例えば、故意に物を壊したり、通常行うべき業務を怠って会社に損害をもたらしたりした場合には、損害賠償の責任が発生します。損害とは、会社の財産や設備の破損だけでなく、会社の名誉や信用に関する損害も含まれます。 具体的には、業務上の指示に反する行為で会社に不利益を与えたり、指示に反する操作で機械を壊したりした場合などが財産上の損害の例です。名誉や信用に関する損害としては、従業員の不適切な言動によって顧客からクレームを受けるケースや、SNSで企業内の機密情報を公開して問題が発生するケースなどが該当します。 また、従業員の行為が原因で第三者に損害を与え、企業がその損害を補償しなければならなくなった場合も、従業員に賠償義務が生じるケースがあります。 例えば、業務中に会社の車で事故を起こし、第三者に身体的・物的な損害を与えたケースでは、企業が賠償金を支払うことになりますが、従業員にも責任が問われる可能性があるでしょう。