【闘病】「怠けているわけではない」 “筋ジストロフィー”で失われる体力との向き合い方
「肢帯型筋ジストロフィー」は肩や骨盤の筋肉に筋力低下を引き起こすもので、幼少期に発症することが多い疾患です。 【写真】リハビリや日常生活をおくる土屋さん 今回お話を聞いた土屋さんも、幼少期から運動に対する苦手意識があり、病気が発覚した後は体力の問題で退職を余儀なくされたそうです。土屋さんに病気の発覚から治療、現在のご様子までお聞きしました。 ※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2023年11月取材。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
仕事についていけなかったのは「怠けているから」ではなかった
編集部: 病気が判明した経緯について教えてください。 土屋さん: 21歳の頃、胃の不調を感じて病院を受診しました。その時の血液検査で、筋肉が壊れると高くなる「CPK」が異常値という結果が出たため、別の病院を紹介されました。 その病院では膠原病の一種で「多発性筋炎」という病気の疑いと言われました。そこで検査入院をして筋生検をしましたが、所見が見られず確定診断には至りませんでした。 編集部: そこからどう過ごしましたか? 土屋さん: 退院後は日常生活に戻り、数年は経過観察をしていましたが、手すりにつかまっても階段を上るのがきつくなりました。当時通っていた内科の医師から神経内科の病院を紹介され、再度検査をしてもらい、「肢帯型筋ジストロフィー」と診断されました。 編集部: どのように治療を進めていくと医師から説明がありましたか? 土屋さん: 「筋ジストロフィーは進行性の病気で、型によって症状に特徴がある」と教えてもらいました。 私の肢帯型は、体幹とお尻、太もも、肩、首周辺の筋力低下が著しいこと、進行のスピードは緩やかで、今のところ治療法はなく、適度なリハビリで筋力を維持していきましょうと説明を受けました。 編集部: 病気が判明したときの心境について教えてください。 土屋さん: ずっと自分が怠けているからだと思いながら、いろいろなことが徐々にできなくなっていく不安を1人で抱えていました。病気だと判明して「仕方なかったんだ」という安堵感を一番先に感じました。