法律婚・事実婚・同棲はどう違う?「しっくりくるカタチ」の探し方【11月22日「いい夫婦の日」に向けて】
自分たちにしっくりくるのはどれ?まずはさまざまな“2人のカタチ”を知ろう
Aさん:合田さんは、ほかにどのような「2人のカタチ」を持つ方のお話を聞いたことがありますか? 「事実婚」「法律婚」「婚姻関係を結ばない」という私たちのようなあり方だけでなく「婚姻関係を結べない」という方については先ほど伺いましたが…。 合田さん:例えば恋愛感情を持たないAロマンティックの異性同士の方で、友情結婚をされている方もいます。 あとは、カップル外でのデートやセックスをOKとするオープンリレーションシップやDINKS(共働きで子供を意識的に作らない、持たない夫婦)、週末婚や別居婚、戸籍上女性同士となるパートナーに精子提供をする方が参加し、3人で子育てをされているファミリーなど、さまざまなあり方がありますが、まだまだパートナーシップというと「異性同士の恋愛結婚で、ずっと一緒に暮らして、子供を持つのが当たり前」とされやすいのが現状ですよね。 Cさん:そういったパートナーシップもあるんですね! 合田さん:さまざまなパートナーシップがあることは、まだまだ当人が顔や名前を出して発信するのにハードルがある状況ですが、たしかに存在しています。そして、ロールモデルがいるというのもとても大切です。さまざまな選択肢があり、その中身を知らなければ、自分の求めている「カタチ」を見つけることが難しいのではないか、とも感じますね。 Aさん:その話で思い出したことがあります。20代の頃の恋人に、つき合ってすぐに「Aさんのことは好きだけれど、キスやそれ以上のことをするのが難しい」と言われたことがあるんです。当時の私は知識がなかったので、理解できずに「きっとこの人は私のことを好きではないんだ」と傷ついてしまって。その人への気持ちも冷めていってしまったんですよね。 今思えば、相手も「僕はなにか変だ」「“普通”の男にならなければ」と無理しておつき合いしようとしていたように感じます。「性的な関係なしでパートナーとつき合いたいという人もいる」と知っていれば、その人とつき合い続けることは難しくても、傷つくことも傷つけることもなかったのかもしれない。 合田さん:そうですね。知識があれば、とおっしゃっていましたけど、それはやっぱり、性教育やテレビなどのメディアで触れる情報の中で、情報がしっかりと与えられてないことが問題かな、とも思いますね。とはいえ私たちが個人や企業として、広めていくのもハードルが高いと思うんですよ。やはり、政治や教育が変わり、社会にもっと“さまざまなあり方を知る場所”が必要だと感じています。 ▶【後編】結婚や事実婚は“2人”の選択でいいの? へ続く 『パレットーク』編集長 合田文 株式会社TIEWAの設立者として「ジェンダー平等の実現」などの社会課題をテーマとした事業を行う。広告制作からワークショップまで、クリエイティブの力で社会課題と企業課題の交差点になるようなコンサルティングを行う傍ら、ジェンダーやダイバーシティについてマンガでわかるメディア「パレットーク」編集長をつとめる。 グラフィックレコーディング/あこ 取材・文/東美希 企画・構成/木村美紀(yoi)