夏に主力が大量流出 Jリーグならではの苦悩…ドイツ人監督が直面した「ズレの問題」
広島スキッベ監督が優秀監督賞
今季J1リーグで活躍したチームや選手、監督を表彰する「2024Jリーグアウォーズ」が12月10日に横浜アリーナで開催され、優秀監督賞にはサンフレッチェ広島のミヒャエル・スキッベ監督が選出された。 【画像】2024年のJリーグベストイレブン 誰が守る?4-1-4-1のファイヤーフォーメーション 来日3年目で初受賞となったスキッベ監督は、「(受賞できたのは)優しいからでしょうね。Jリーグでやっている監督たち、選手たちに対して、同じサッカーをやっている仲間という接し方をしてきたことは挙げられると思います」と、監督や選手からの投票で選ばれた賞を受賞できた理由に、常に対戦相手をリスペクトしていることを挙げ、「対戦相手の監督にも選手にも、サンフレッチェが魅力的で攻撃的であり、勇敢なサッカーをしていると理解してもらい、受け入れられていると思います」と、自分たちのプレースタイルに胸を張った。 今シーズン、広島はシーズン途中に多くの主力選手の入れ替わりがあった。日本代表FW大橋祐紀がイングランド2部ブラックバーンへ移籍。MF川村拓夢もオーストリア1部ザルツブルクへ、MF野津田岳人もタイ1部BGパトゥム・ユナイテッドへ活躍の場を移した。その一方で、MF川辺駿、MFトルガイ・アルスラン、FWゴンサロ・パシエンシアが加入。チームの中心選手が変わる難しい状況でも、継続的に勝ち点を重ねられた手腕は見事だったと言える。 実際、この時期はドイツ人監督も苦労をしたようだ。「難しいのは、広島で活躍をした選手たちがヨーロッパに取られていくことです」と切り出したスキッベ監督は、「それから移籍期間のズレの問題もあります。選手が取られたあと、自分たちが選手を取れるようになるのは、またそのあとになってしまう。その間、選手が移籍してしまったけど、新たな選手が取れない時期がある。そこは本当にヨーロッパに選手を送り出したクラブにとっては難しいポイントです。鹿島アントラーズも、同じ状況だったと思います。昨年はストライカーがいなくなり、今年はボランチの選手がいなくなりましたが、その後にすぐ選手を補強できるわけではありません。そこは本当に難しいところです」と、Jクラブを率いる監督としての苦労を明かした。 Jリーグは、2026年から秋春制に移行して欧州のカレンダーに合わせることを目指している。スキッベ監督は、「シーズンのカレンダーが変わるというのは、本当に無理がなくなる。それは良くなる点だと思います」と、シーズン移行を歓迎した。
河合 拓 / Taku Kawai