台湾の注目エリアは桃園! 今行くべき新オープン施設 3選
横山書法藝術館
「桃園市立美術館」のもうひとつの分館が、青塘園から車で5分程度行ったところにある「横山書法藝術館」だ。児童美術館と同じく、埤塘のほとりに建つこの美術館は、台湾初の書道をテーマとした公立美術館で、2021年に開館。 台北を拠点とする潘天壹建築師事務所が設計を手掛けた建築は、書道や彫刻に使われる山型の硯をモチーフとし、自然環境と書道芸術を融合させることに挑戦している。屋外の要素を随所に取り入れた、コンパクトながらも変化に富んだ館内を歩けば、知らず知らずのうちに書の世界に没入できてしまう。 <写真>桃園市を象徴する埤塘(溜池)のほとりに立つ「横山書法藝術館」。硯をイメージした建物が並んでいる。
現在は企画展として、「韓国国立現代美術館(MMCA)」の企画による、戦後の韓国における書道の発展や、現代美術との関連などについての展覧会「美術館裡的『書』:韓國現當代書藝展(美術館の「書」:韓国近現代書芸展)」が開催されている。 <写真>公園側からの眺め。
<写真>「美術館裡的『書』:韓國現當代書藝展」のエントランス部分。
本展では社会的にも文化面でも激動の時代だった日本占領時代に、書の権利向上のために尽力した韓国近現代書家の第一世代を紹介する第1章から、ペンよりもパソコンやスマホで文字を書くことが増えた現代における、デザインとしての書やタイポグラフィを紹介する第4章まで、全95点を通じて、韓国書藝の発展を紹介している。 <写真>第1章「書如其人」の展示。右の作品はハングルと感じの教会を超えた作品として高く評価される金忠顕《趙星臣陶山歌》(1963)。
また本展には、孫在馨や金忠顕をはじめとした20世紀を代表する書藝家たちによる作品や、李禹煥や李澈周ら、現代美術界の著名作家の作品も登場。日本の植民地支配の終焉とともに漢字が廃止された戦後の韓国ではハングルの書藝化が進んだが、この紆余曲折の過程や書藝家たちの苦労など、知られざる歴史に触れることもできる。韓国の書芸の全貌を知ることができるまたとない機会。この秋、台湾北部エリアに行く人は必見だ。 <写真>第3章「再談書藝」の展示。左から2番目にあるのが李禹煥《東風》(1984)。 「美術館裡的『書』:韓國現當代書藝展」 会期/~2024年10月21日(月) 会場/横山書法藝術館 住所/33743桃園市大園區大仁路100號 開館時間/9:30~17:00(最終入場 16:30) 休館日/火曜日、その他随時発表