台湾の注目エリアは桃園! 今行くべき新オープン施設 3選
台湾の首都・台北市の中心部から電車で1時間程度の場所にある桃園市は、豊かな自然と多様な文化に恵まれた地域として知られている。家具製造をはじめとした木工業の長い歴史を持つ一方、近年は、桃園国際空港を擁する地の利を生かしてスマートシティ開発でも世界的に知られるように。 急速な街の発展に伴い、幅広い市民に文化的な体験を提供することを目的にオープンした、桃園市の文化施設を紹介する。ライターSHIYOが、桃園市立美術館から招待を受け、リポート。
桃園市立図書館総館
多様な背景を持つ市民のための複合文化施設として、2023年にオープンしたのが「桃園市立図書館総館」。「生命の樹」と名付けられたガラス張りの吹き抜けを持つこの建物は、日本の梓設計と台湾の郭自強建築師事務所の合同プロジェクトだ。建物内では未就学児から高齢者まで、あらゆる人々の知的好奇心を刺激する工夫があちこちに用意されている。 <写真>桃園市立美術館の外観。車で10分ほどの場所には地元の人々にも人気の桃園観光夜市もあるので、桃園観光の際には立ち寄りたい。
デジタル先進国ならではの先端技術が取り入れられ、環境対策も万全のこの図書館は、ソフト面の充実ぶりも圧倒的。新住民の子どもたちが中国語や台湾語を覚えられるように、また彼らが自分たちのルーツや親の故郷の言語についても学べるようにと考え抜かれたプログラムを用意しているのが素晴らしい。複数言語が話せるボランティアも多く、観光客も安心して利用できるので、桃園を訪れた際には足を運んでみては。 <写真>左に見えるガラス張りの部分が「生命の樹」。灯り取りとしての役割とともに、空気を循環する役割も果たしている。 桃園市立図書館総館 住所/330桃園市桃園区南平路303號 開館時間:8:30~21:00(火~土曜日 )、8:30~17:00(日、月曜日) 休館日/祝祭日、毎月最終木曜日
桃園市立美術館・桃園市児童美術館
文化芸術に関するさまざまな施策が並行して進むなか、特にユニークなのが「桃園市立美術館」と、それに付随する「桃園市児童美術館」「横山書法藝術館」という3つの施設の成り立ちだ。 桃園市は「一つの施設、複数の会場」というコンセプトのもと、それぞれ異なる性質を持つ施設を近隣に展開。そのうち、現在2025年の竣工を目指して工事が進行中の「桃園市立美術館」と、その建物に隣接して2024年4月にオープンした「桃園市児童美術館」の設計を、山本理顕設計工場と地元台北を拠点とする石昭永建築師事務所が手掛けている。 <写真>桃園捷運機場線の桃園体育園区駅側の入口から見た「桃園市児童美術館」。桃園国際空港から20分程度の場所にある。