１０月１０日、中国人民銀行（中央銀行）は、株式市場支援のため新たに創設されたスワップ制度（当初５０００億元＝７０６億２０００万ドル＝規模）について、金融機関からの申請受付を開始すると発表した。写真は２０１８年９月、北京の人民銀本部前で撮影（２０２４年　ロイター/Jason Lee）

[香港/上海 １０日 ロイター] - 中国人民銀行（中央銀行）は１０日、株式市場支援のため新たに創設されたスワップ制度について、金融機関からの申請受付を開始すると発表した。 人民銀は９月２４日、広範な景気刺激策の一環として制度開始を明らかにしていた。 同制度の下、証券・ファンド・保険会社は、国債や中銀手形など流動性の高い資産と交換するため、債券、株式上場投資信託（ＥＴＦ）、ＣＳＩ３００指数構成銘柄といった保有資産を担保として使用することができる。 当初の規模は５０００億元（７０６億２０００万ドル）で、将来的に拡大される可能性もある。 中国中信（ＣＩＴＩＣ）証券のアナリスト、ミン・ミン氏は「スワップ制度はノンバンク金融機関に流動性支援を提供することが目的で、株式市場の信頼感を高める一助となる可能性がある」と述べた。 中国の銀行間市場監督当局者は今週公表された記事で同制度創設について「ベースマネーサプライの増加や人民銀のバランスシート拡大を伴わないため、中銀が株式市場に参入することを意味しない」と指摘。「銀行融資が株式市場に違法に流入してはならないというレッドライン（越えてはならない一線）に変わりはない」と述べていた。 ＣＩＴＩＣのミン氏は、金融機関が株式資産と国債を交換するのを認めることで、人民銀行は株式市場と債券市場の両方に調整された形で影響を及ぼすことができるとした。 ジェフリーズの中国担当エコノミスト、シュジン・チェン氏はスワップ制度が株式市場のレバレッジを高めるのに役立つとしつつ、既に利用可能な手段が複数あると指摘。 「最大の懸念はこのスワップに参加を望む機関がいくつあるかだ」とし、運用面の詳細も不十分だと述べた。