「老眼」ってどんな状態?ならない人もいる?「老眼の基礎知識」を眼科専門医に聞きました
Q. 老眼の進行は止められる?
A. 改善はできないが、進行は遅らせることができる 「老眼は加齢による自然な変化でもありますが、酷使によるところも大きいので、生活習慣を改善したり、エクササイズで進行を遅らせることはできます」 おすすめのエクササイズが、ピント調整機能を回復させる『毛様体筋ストレッチ』。 「手元を見すぎると、目のピント調整を担う毛様体筋が緊張しすぎて硬くなり、ピントを合わせる働きがスムーズに行われなくなります。そこで、意識的に近くと遠くを交互に見ることで、ピントを調整する力を回復させられます。 やり方は簡単。片手を握って指を立て、爪の部分を目から30㎝ほど離してそこにピントを合わせます(眼鏡やコンタクトレンズはしたままでOK)。次に指の爪から視線を外し、2m以上先のもの(時計、カレンダー、観葉植物などなんでも)にピントを合わせます。 ポイントはただ視線を移すのではなく、遠近ともにしっかりとピントを合わせること。これを毎日朝晩、交互に5回ずつ繰り返すのがおすすめ。ただし、疲れたら無理することはありません」 また、下記の習慣をひとつでも多く守ることも大切だそう。やれることから始めてみたいですね。 □スマホやタブレットは1日4時間以上使わない □寝転がってスマホを見ない □2年に1回は眼科で視力検査や眼鏡の度数チェック、眼底検査をする □見えづらいまま放置せず、老眼鏡や遠近両用眼鏡を活用する □外出するなどしてなるべく遠くを見る時間を増やす □室内にいるときは、1時間に1回、2~6m先を20~30秒眺めるようにする □夏の晴れた日はサングラスをかける □洗眼液を多用しない □目をこすらない □目を押してマッサージをしない □うつ伏せで寝ない □こまめな水分補給は必要だが、眼圧が上がらないよう一気飲みはしない(1回200㎖が目安) 次回も引き続き、眼科専門医に話を聞き、「老眼鏡」にまつわる基礎知識を紹介します。
【取材協力】
二本松眼科病院副院長・平松類さん 眼科専門医・医学博士。福島県郡山市今泉西病院、昭和大学病院勤務、山形県米沢市三友堂病院眼科科長、彩の国東大宮メディカルセンター眼科部長を経て、現在は二本松眼科病院 副院長。Youtube登録者25万人以上の「眼科医平松類チャンネル」をはじめ、各種テレビメディアにて目の健康情報を提供する。主な著書に『1日3分見るだけでぐんぐん目がよくなる!ガボール・アイ』(SBクリエイティブ)、『目の老化を自分で防ぐ!』(内外出版社)など多数。
嶋田久美子