「もう、中学受験をやめたいんです!」ワンオペ「中受」に苦しむ母。娘は円形脱毛、母はキャリアを諦めるという令和の「中受問題」とは
今年から大学入学共通テストが再編されることが決まっている。知識一辺倒だった従来のスタイルから、資料やグラフを読み解く力や、思考力・表現力が試される場面が増えそうなのだという。 この記事の他の画像を見る 危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏は、これまでのセオリーでは通用しなくなるかもしれない大学受験と、過熱する「中学受験」の相関性についてこう語る。 「特に首都圏では中学受験志向が強くなっています。変わる大学受験にしっかりと対応できる中高一貫校への入学、あるいは大学受験なしで志望大学に入学する切符を求める親子が、中学受験に殺到しているのかもしれません。 気をつけていただきたいのは、受験するお子さんの心身に無理がないかどうか。また、『親の受験』の異名を持つ中受では、保護者自身のストレスやパートナーとの衝突などにも対策が必要です」
有名大学進学を目論んで中学受験が過熱している今、現在小学5年の娘の中学受験についてお悩みの女性にお話を伺った。 「娘は小学1年生の夏頃からSAPIX(サピックス)に通っています。小学1年生から進学塾に通わせることに、少々抵抗はありました。だけど、SAPIXは早い段階で入塾しておかないと、4年生の段階では定員いっぱいで、通わせたくても入塾できないんです」 都内の人気進学塾は、ここ数年、こういった理由で早い段階から入塾させる家庭が増えている。 「主人も私も、勉強にそれほど苦労することなく、進学塾に通いながら中学受験で慶応義塾中等部に入りました。結婚する前に知ったのですが、夫の家系は慶応大卒が多く、うちの娘も当然、慶応に入れるべきだと義実家からは強く言われていました」 こう話すのは都内在住の会社員・吉永理子さん(仮名・44歳)。娘の中学受験対策は小学1年から始めたが、ここにきて、悩みが尽きなく苦しんでいるという。 「私が証券会社でキャリアを積んでいたのと、娘は内向的な性格のため、小学校受験は難しいと判断し、中学から私立に入れれば良いと考えていたんです。また、慶応義塾幼稚舎(小学校)に受かるとは全く思えなかったので...。 主人と私の娘だから、中学受験は難なく成功すると考えていました。それも、甘かったというか、自分のキャリアを優先して、娘の面倒をきちんと見れていなかったと今、反省しています」 娘は小学校5年生で、受験は来年の2月だが、すでに理子さんは「反省」と「後悔」で苦しんでいるという。 理子さんは、自身が中学受験した時の入試内容を詳しくは覚えていないが、娘を通じて知る現在の「中受」は、昔とは明らかに傾向が違うと感じている。