極秘任務!? トップクラスの精鋭が集まる、謎多き「英国王室の医療部門」
キャサリン皇太子妃が手術を受けたことや、チャールズ国王ががんと診断されたことを巡る報道を受け、イギリス王室の「医療体制」がどのようになっているのか、一般の国民とはどのような違いがあるのか、気になっている人もいるかもしれません。 【写真】手術後初の姿がパパラッチ…普段と違う!? キャサリン皇太子妃 ロイヤルたちが受ける医療について、過去の出来事から明らかになっていることを、整理してみましょう――。
公的サービスを利用する?
ロイヤルファミリーも、公的医療制度である「国民保健サービス(NHS)」を利用しているのでしょうか? 通常、ロイヤルたちは無料で受けることができる公的サービスに頼ることはありません。ただ、その理由は、一部の人が考えるような、いわゆる“特別な存在だから”ということではないそうです。 王室メンバーに医療が必要になった場合、何より考慮すべきことは、「プライバシーの保護とセキュリティ」です。また、ほかの患者や医療機関そのものに混乱を招くおそれがあることについても、配慮しなければなりません。 そして、私立病院は大抵、公立病院に比べて規模が小さく、病室も個室が多いことから、これらの問題に対処しやすく、ロイヤルたちは私立の病院を選ぶことが多くなるといいます。 ですが、より幅広く、さまざまな設備を導入しているのは、NHSの大規模な病院です。そのため、必要に応じて、公立の病院を利用する場合もあるそうです。 例えば、故エリザベス女王の夫フィリップ殿下は2021年に亡くなる少し前、それ以前から問題があった心臓の状態の観察が必要になり、(私立のエドワード7世病院から)公立病院の経営を担う独立法人のひとつ、バーツ・ヘルスNHSトラストが運営するロンドンの聖バーソロミュー病院に転院しました。 殿下は2011年には、ケンブリッジシャーにあるNHSのパプワース病院で、心臓の緊急手術を受けていました。
王室の「医療部門」とは?
ロイヤルたちは自らの健康問題について、どの医師にでも相談することができます。ですが、王室には異なる専門分野の医師たちからなる「医療部門」が設置されており、通常はまず、この人たちの診察を受けます。また、君主が外国を訪問するときには、主治医が同行することになっています。 王室の医療部門に加わる各分野のトップクラスの医師たちは、普段はNHSまたは私立の病院に勤務しており、フルタイムでロイヤルメンバーを担当するわけではありません。 そして、総合診療(GP)、婦人科、整形外科などの専門医を含むこの部門のメンバーは、王室のその他の部門とは異なり、氏名などの個人的な情報が公表されません。現在、がんの治療を受けているチャールズ国王の担当医についての詳しい情報も、明らかにされていません。
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