モデル・岩堀せりが語る家族のこと「一番大切なのはコミュニケーション。話さないで我慢するっていうのはやめない?」
『うざい』上等。大事にしていることはとにかく「話す」こと 「もう一つ、私のなかでとくに大事なことは“話す”こと。何かを思ったときに、言わないで我慢するのはやめようねと。子どもたちが話しやすいように、私から率先して何でも話します。私は言わなくていいことまで話すタイプなので、子どもにも根掘り葉掘り聞いてしまったりしますが、TAKUROくんに出会ってすぐの頃『せりみたいに何でも言える人ばかりじゃないんだよ』と言われたことがあるので、今はほどほどに(笑)。でも、やっぱり気になってついつい聞いちゃうかな。『うざい』と思われているときもあるかもしれない。けれど、そう感じられるのは『うざい』ほど、側にいるからなんだよな、とも思ったりするわけです。 私は自分の親が仕事で忙しくて、あまり一緒にいられなかったので、一緒のときに『大好きだよ』と甘えるので精一杯。ケンカするほどの時間は共有できなかった。『親がうざい』と思える環境は、じつは幸せなことだと思うんです。時間があって一緒にいるからこそ、いっぱいぶつかるし、いっぱい話し合う。忙しくて離れていたら、そんな感情さえも湧かないですからね。 ただ、最近は子どもに言わせると『せり、口が軽いから何も言いたくない』って感じらしいです(笑)。ついつい、友達との夕食時に今日あった出来事として、子どもから聞いたことを話題に出してしまうんですよね……。私としては、何でも話してもらえるお母さんがいいし、それを目指していたはずが、『あれあれ?』と(笑)。でもめげずに、これからもガンガン話しかけていきます」
正解はなんなのか、いまだにわからない。子育ての悩みは無限
「家族仲はいいですが、もちろん悩みは尽きません。とくに、今でも答えがでていないのが教育に関すること。小さい頃、宿題について毎日のように子どもたちと揉めていた時期がありました。それもそう、だってママは中卒なこともあってうまく教えられないし、頼りない。自分自身はあまり勉強してこなかったのに、子どもたちにはきちんと勉強をさせようとしている矛盾を、実は私もTAKUROくんも両方抱えているわけです。 健康であればそれでいいと思いつつ、子どもたちにはいろいろと期待してしまうのは親の性なんでしょうか。自分は大学に行ったことがないのに、子どもには『大学に行ったほうがいい』と言ってしまう。そこに関しては何が本当に正しいのか、未だに答えが出ないままですね。 私とTAKUROくんは若いときにやりたいことが見つかったタイプなので、子どもたちにもまずはやりたいことを見つけて欲しい。けど、どうやって見つけるのかは教えられないし、私たちが教えられることに限界もあるので、今は、いろいろな大人に会って、いろいろな話を聞いて、選択肢が増えることが大事かなと思っています。本来なら両親がなんでも知っていて、子どもたちに教えられるのが一番いいんだろうな、とは思っていますけど、それがなかなかできないので、いろいろな人とのご飯会に積極的に子どもたちも参加してもらっています。 子どもに対して、小さい頃からお受験させてしっかりレールを敷いてあげている家庭を見ると、羨ましいと思う一方で、うちの場合は本人の意思を優先したいからちょっと違うな、とも思う。どっちの感情も芽生えますね。正直、小さい頃にある程度のレールにのせてあげていたほうが、子どもたちにとっては楽だったのかな、といまだに考えたりもします。私とTAKUROくんは小さい頃、教育的な選択肢が少なかったのもあって、子どもたちにはなるべく選択肢を多くあげたいし、あなたが自分で進む道を選んでいいんですよ、と伝えてきた。けど、多いのもそれはそれで大変ですよね。行きたい学校も選べて、場合によっては住む国も選べるとなると、もう何をどう選んでいいかわからなくなるのかも。選択肢が多い場合も、少ない場合も。どちらにもいい面、悪い面はあるんだろうし、正解はわからないですね」