中日・谷繁監督の休養で後任有力は小笠原2軍監督
中日の谷繁元信監督(45)の休養が9日、本拠地のヤクルト戦前に発表された。最下位に沈む成績不振の責任を取らされた事実上の解任で、この日の午前中に、佐々木球団社長が、谷繁監督に休養が打診され、受け入れた。同時に谷繁監督が招聘した佐伯貴弘守備コーチ(46)も休養することになった。2人は、シーズンオフを待って退団することになる。 監督代行は、森繁和ヘッドコーチが務め、同時にコーチの1、2軍入れ替え人事も行われ、辻発彦野手総合兼内野守備コーチ(57)、早川和夫守備コーチ(56)が1軍に昇格、渡辺博幸内野守備コーチ(46)が2軍に配置転換された。球団は、来季の後任監督の人選に着手することになったが、落合博満GMが高く評価、将来の監督含みで今季から2軍監督に就任した小笠原道大2軍監督(42)が最有力となっている。 電撃解任劇だった。監督就任3年目。2年間は捕手との兼任監督で、今季からようやく監督専任監督としてスタートした谷繁監督だったが、成績が低迷。6日の横浜DeNA戦で最下位に転落すると8カード連続で負け越すなど、一向に上昇気配が見られなかったため、監督人事権を握る白井オーナーと、落合GMが協議を重ねて“解任”を決断、佐々木社長が「プロの監督は選手を指揮して出た結果にはすべての責任を負う宿命がある。心苦しく不本意だが」と、谷繁監督、佐伯コーチの2人に休養を打診した。 谷繁監督は、佐々木社長と共にスーツ姿で会見に臨み「結果がすべてがプロの世界。腹をくくりながら過ごしてきて、こういう結果になったのは、監督である私の責任。なんとか強くしたいとやってきて、このような形で去ることには寂しさ、悔しさがある」と、無念さをにじませた。 まだ4位以下の3チームが中日と同じように2桁借金を抱え、現在3位の横浜DeNAとも6.5ゲーム差で十分にクライマックス進出の可能性があるだけに、現場の士気を上げ、巻き返すための起爆剤の意味もこめての解任劇となった。中日は、過去にも高木守道氏や山田久志氏をシーズン途中に解任しており、球団として結果責任を監督に負わせてファンの不満を沈める球団の体質のようなものがある。観客動員も急降下。スタンドはガラガラで営業面からの危機感もあったとも考えられる。