中日・谷繁監督の休養で後任有力は小笠原2軍監督
谷繁監督は1年目は4位、2年目の5位と結果を残せず、今季も開幕直後にブルペンコーチを入れ替えるなど、コーチ陣をマネジメントできず(コーチ人事のほとんどを落合GMが仕切った影響もある)、采配においても、若手育成と勝負の両方を同時に行わねばならなかったが、若手の我慢起用ができず、投手交代のミスや、戦術面においても曖昧なケースが目立ち、チームの内外からその選手起用や采配を疑問視する声が少なくなかった。特に配球面などバッテリーに対して求めるレベルが高すぎて、経験不足の若手との“理解度の違い”をなかなか埋められなかった。 ただ、今季も新外国人のビシエドの成績が急降下、ここ3年間、ドラフト戦略が失敗するなど、編成面で満足な戦力を整えられなかった落合GMの責任も大きい。コーチ人事についても落合GMが主導してきた。結果的にはチーム低迷の本質を解決せず、谷繁監督と佐伯コーチの2人にだけ責任を押し付けて、体裁を整えるという球団の組織ガバナンスを問われるような決着となった。 森ヘッドが代行監督を務め、その初陣でサヨナラ勝利したが、後任監督の人選に関しては、今後、調査検討されていく方向。最有力候補は、昨年引退し、すぐに2軍監督に就任した小笠原2軍監督だ。 小笠原の巨人からの移籍時に尽力した落合GMが、その指導能力を高く評価しており、将来の監督含みで経験を積ませるために2軍監督に就任させた。実際、指揮をとった今季は、ウエスタンリーグで49勝31敗と大きく勝ち越し、ソフトバンクと首位争いを演じるなど“勝つ野球”のできる采配力を証明している。打撃の技術指導や、戦い姿勢を植えつける雰囲気作りにも、指導者としての非凡さを持つ。 後任監督の人選についても、谷繁監督解任に大きな影響力を及ぼした落合GMの意向が優先されると見られていて、最終決定権を持つ白井オーナーが、その“落合案”を受け入れる可能性が高い。 中日には、山本昌氏や山崎武司ら、人気のある生え抜きのOBに有力の監督候補がいるため、「生え抜きOBにチームの再建を任せるべき」との地元ファンの声が根強いことも確かだが、白井オーナーと落合GMの信頼関係が崩れない限り、落合GMの意見が後任監督の人選に大きく反映されそうだ。