平野紫耀の発想力とそれを支える頭脳・神宮寺勇太、岸優太の予想外なラップ……Number_i、なぜバランスがいい?
Number_iの1stフルアルバム『No.Ⅰ』のリリースが、いよいよ今月末に迫ってきた。アルバムには「GOAT」「BON」「INZM」といった既発曲も収録されるが、これらの楽曲制作に携わってきたMONJOE(DATS)、Pecori(ODD Foot Works)が、ラジオや雑誌のインタビューで制作エピソードを語っている。 【写真】ラップが評価される岸優太、キレキレダンス姿も話題に ラジオ番組『脳盗』(TBSラジオ)の9月1日放送回にゲスト出演したのが、「GOAT」や「INZM」の作編曲を手掛けたMONJOEだ。パーソナリティのTaiTan(Dos Monos)と玉置周啓(MONO NO AWARE)から「GOAT」の制作経緯を聞かれた彼は、コンペを経てメンバーと直接やり取りをしながら改良を重ねたこと、平野紫耀、神宮寺勇太、岸優太の既存のイメージを覆すHIPHOP曲がファンにすんなり受け入れられたのを意外に感じたことなどを明かした。 「特に岸さんのラップとか、一番フリーキーじゃん」とTaiTanが言うように、「GOAT」を聴いた際に〈タクシー乗るのにも一苦労な Artist〉から岸が歌うパートに衝撃を受けた人も多かっただろう。自身がディレクションしたのかを尋ねられると、MONJOEは「岸くん、歌うとあの感じになっちゃうんだよね」と否定。デモ音源には作詞を務めたPecoriの歌声が入っていたが、それとはまったく違う形、ニュアンスに仕上がったのだという。そして、それが「めちゃくちゃいいなって思って」とも。 岸のラップに関しては、Pecoriも『Newsweek』ウェブ版のインタビュー記事で「俺が入れたガイドと全く違うことをするのがKC(岸)で、これがめっちゃいいんですよ」と話している(※1)。Pecoriが伝えたリズムを岸は自分のなかで変換して独自の歌い方を編み出しているそう。インタビューからは、そんな“予想外”のアウトプットを制作陣も楽しんでいることが伝わってくる。実際に、「BON」や「INZM」でも岸のパートは特に個性が光っていて印象深く、その斬新さや表現の幅広さに圧倒されている人も多いはずだ。 インタビューで、Pecoriは3人のバランスのよさについても語っている。たとえば、「たぶん一番ある」と語るほどにアイデア出しや発想力について感じているのは平野。打ち合わせ時に話をリードしているのも彼なのだという。MONJOEも同じく『Newsweek』で、平野のプロデュース曲「BON」の制作経緯などを例に挙げながら、彼は音楽だけでなくその先のビジュアルやブランディングの仕方までイメージを持っている印象だと話している(※2)。 先月20日にNumber_iのオフィシャルYouTubeチャンネルで行われた生配信でも、『No.Ⅰ』に収録されるソロ曲「透明になりたい」について、平野は過去に自分が見た夢を歌にしたことを明かしていた。きっと彼は、自身が日頃から興味を持ったもの、触れたものから作品の種を見つけるのが上手いのだと思う。平野の卓越した発想力が、Number_iが唯一無二の作品を生み出すことに繋がっているのだとあらためて感じる。