なぜ?海だけを描き続ける話題のSNSアカウント「海をかくひと」を取材 16万人が称賛、個展開催目指し活動続ける
さまざまな海の表情を描いた絵画を投稿し続けるXのアカウント「海をかくひと」(@towa_sea_art)が話題になっている。夏の日差しにきらめく水面、夜明けの静寂、激しい波…。多彩な一瞬を切り取る「中の人」に話を聞いた。 【写真】アカウントの「中の人」の男性。将来の夢は「海の絵を一面に飾ったカフェを建てる」こと ■16万人が称賛 「毎日違う気分で、毎日違う海を描いてる」。11月上旬、このコメントを添えて4枚の海のパステル画をアップしたところ、16万件超の「いいね」が集まるなど広く拡散された。「美しい」「切り取り方が素晴らしい」と称賛の声が相次いだ。 投稿しているのは、関東在住の男性。幼少期から絵を描くことが好きで、高校時代は美術部に所属。服飾専門学校卒業を経て、今年からアルバイトで生計を立てながら画家活動をしている。 6月末から、1日1枚欠かさずパステル画を完成させてXとInstagramにアップするという取り組みを始めた。寝る間も惜しんで創作に没頭し、アルバイト中に倒れてしまったこともあったそうだ。それでも、絵の道で生きていく覚悟を決めてキャンバスに向かった。 幼少期から「キラキラしたもの」が好きだったという男性。気づくと描く対象は、海や水面が多くなっていた。投稿が100枚目に達したのを機にモチーフを海だけに限定し、アカウント名も現在のものに変更。毎日絵を描き続けることに変わりはないが、投稿頻度を少し落として一つずつの作品により向き合えるようにした。数時間で仕上がる絵もあれば、数日かかっても満足がいかずに結局完成を断念したものもあるそうだ。 ■多彩な表情見せる海の「奥深さ」 手のひらサイズのキャンバスいっぱいに海の水面を描く、という点は一貫している。しかし春夏秋冬、時間帯、天候、波高などにより水面はさまざな表情をのぞかせる。 「同じ海を描いていても表情が違う。だから他のモチーフと比べて『描いていれば慣れる』という感覚があまりないんです」と男性。「完成すると毎回新しい気持ちで喜べるし、海の奥深さを感じて『好きだなぁ』と思う気持ちも大きくなっています」と話す。その奥深さが、同じモチーフを描き続ける原動力になっている。 今回、多くの人から投稿に反応があったことについては「自分が好きで描いている海を好いて、共感してくださる方がこんなに多くいるんだ、と。心強さとやりがいを改めて感じられる機会になりました」と話している。 来年からは、オンラインで自身で描いた海の絵を販売を予定しており、個展の開催も目指す。夢は「海の絵を一面に飾ったカフェを建てる」ことだという。 (まいどなニュース・小森 有喜)
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