AI時代に必要なのは恐怖ではない。チャンスにするための視点とは? 後半(東福まりこ キャリアコンサルタント)
■失業はテクノロジーの進歩がなくても起こる
バブル崩壊後、経営がうまくいっていなかった日産にカルロス・ゴーン氏が来て大鉈を振るい、ゴーンショックと呼ばれたことを覚えている人もいるかもしれない。日本国内で東京の村山工場、日産車体京都工場、愛知機械港工場、久里浜工場九州ユニット工場の4つの工場が閉鎖され、従業員は他の工場へ移るか退職するかをせまられた。 最近では、宅配便大手のヤマト運輸が、小型荷物の配達を委託している個人事業主約3万人との契約を2024年度末までにすべて終了する。経営合理化のため、ヤマトは日本郵政との提携を発表しており、今後は日本郵便に荷物の配達を委託する。 (参考・ヤマト運輸、委託の配達員3万人と契約終了へ 24年度末までに 朝日新聞 2023/09/25) テクノロジーの進歩以外の理由でも、経営判断で失業は起こる。突然という意味ではこちらのほうのダメージが大きい。 ChatGPTによる世界の動揺は今後の大きな変化の予兆を感じさせる。個人でできる準備を始めよう。 (参考「人類の歴史とAIの未来」バイロン・リース・「人工知能と経済の未来」井上智洋・「ロボットの脅威 人の仕事がなくなる日」マーティン・フォード・「ロボットと生きる社会 法はAIとどう付き合う?」角田美穂子 工藤俊亮・「テクノロジーが雇用の75%を奪う」マーティン・フォード ・「『AIで仕事がなくなる論』のウソこの先15年の現実的な雇用シフト」海老原嗣生・「食える仕事食えない仕事 10年後にAI、ロボット化で変わる職のカタチ」渡邉正裕) 東福まりこ キャリアコンサルタント
【プロフィール】
自身のアドバイスで友人が転職に成功したことをきっかけに、キャリアの見直しワークショップを開始。過去の転職経験や海外勤務経験をベースにアドバイスを提供中(国内大手1社・外資系2社、ドイツ赴任1年)。現在はマンツーマン形式でキャリア相談を行う。「転職」ではなく定期的な「転職活動」で市場価値を知るべき、が持論。飼いネコに構ってもらいながら働く日常を送る。