巨人には中継ぎ→先発で“化けそう”な選手、配置転換やコンバートで“より戦力”なり得る選手は
パ・リーグでは平良海馬(西武)の抑え起用が話題となっているが、もう1人先発として実績がある投手で抑えとしての可能性を探ってみたいのが山岡泰輔(オリックス)だ。プロ1年目から先発の一角に定着し、3年目の2019年には13勝もマークしているがここ数年は故障もあって成績が悪化。今年はキャリア最低となる6試合の登板に終わっている。 来季については中継ぎでスタートすることを明言しており、チーム事情を考えてもこの判断は理解できるが、長く抑えを任されてきた平野佳寿が大きく成績を落としており、代役を務めたマチャドも絶対的な安定感はないことを考えると山岡にクローザーを託すというのも面白いのではないだろうか。縦のスライダーは絶対的な決め球で、三振を奪えるという点でも適性は高いように見えるだけに、1つの選択肢として検討してもらいたいところだ。 パ・リーグの野手で他のポジションも検討したいのが寺地隆成(ロッテ)だ。今年は高校卒1年目ながらイースタン・リーグで2位となる打率.290をマーク。シーズン終盤には一軍昇格を果たしてプロ初ヒットも放った。ミート力の高さは際立っており、パンチ力も申し分ない。ただチームの捕手は佐藤都志也が今年ベストナインを獲得するなど大きく成長しており他にも実績のある田村龍弘、若手の松川虎生も控えている。寺地の打撃を生かすのであれば、高校時代も内野を守った経験があるだけにコンバートするのも面白いだろう。 今年も則本昂大(楽天)が抑えに転向していきなり最多セーブのタイトルを獲得するなど、配置転換で輝きを見せる選手も少なくない。来季も新たな役割で開花する選手が続々と出てくることを期待したい。(文・西尾典文) 西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。
西尾典文