巨人には中継ぎ→先発で“化けそう”な選手、配置転換やコンバートで“より戦力”なり得る選手は
プロ野球の契約更改、フリーエージェント(FA)権を行使した選手の交渉も大半が終わり、各球団の来季に向けての陣容もある程度出揃ってきた印象を受ける。この時期から開幕までに毎年出てくるのが投手であれば配置転換、野手であればコンバートなど、これまでとは異なる起用法についてである。ポジションの偏りが生じている球団もあり、新たな可能性を模索している首脳陣も多いはずだ。今回はそんな起用法の変化によってブレイクしそうな選手を探ってみたいと思う。 【写真】「2億円」が「400万円」に急降下 球史に残る“大減俸”を味わった選手がこちら まず投手で配置転換が検討される可能性が高いのが巨人だ。中日を自由契約となったマルティネスを獲得したことで抑えの大勢が8回に回り、中継ぎ陣の再編によって先発に転向する選手が出てくると考えるのが妥当だろう。外国人投手のバルドナード、ケラーの2人はアメリカ時代から一貫してリリーフで起用されており、年齢的なことを考えても中継ぎから動かすことは考えづらい。そうなると先発転向の筆頭候補となりそうなのが昨年のドラフト1位で入団した西舘勇陽だ。 ルーキーイヤーの今シーズンは開幕からセットアッパーとして一軍に定着。デビューから10試合連続無失点を記録するなど28試合に登板して1勝、20ホールド、1セーブをマークしたが、最終的には防御率3.82という数字に終わっている。ただ二軍では10試合、38回2/3を投げて54奪三振、防御率1.40という圧倒的な成績を残して、そのポテンシャルの高さを見せた。まだ来季の起用法について首脳陣からも明言はないものの、オフに参加しているプエルトリコのウインターリーグでは先発にも挑戦している。今年MVPを受賞した菅野智之の穴を埋める必要もあるだけに、来季は先発でのブレイクに期待だ。 セ・リーグの野手でコンバートを検討しても面白そうなのが度会隆輝(DeNA)だ。今年は開幕戦でいきなりホームランを放つなど華々しいデビューを飾ったが、徐々に成績を落として5月には二軍に降格。6月に一軍復帰して17試合連続出塁をマークするなどさすがのパフォーマンスを見せたものの夏場以降は再び調子を落とし、日本シリーズでは出場がなかった。 チームの外野は実績のある佐野恵太、桑原将志、筒香嘉智に加えて今年は梶原昂希が大きく成長。他にも蝦名達夫、関根大気も控えている。一方で内野を見るとサードの宮崎敏郎が年齢的にも1年フルに出場することは難しくなっており、ファーストのオースティンも今年は見事な成績を残したが怪我の多さが気になる。筒香や佐野がファーストで出場するという機会も増えそうだが、度会が内野に入ることができれば起用法の幅は広がることは間違いない。打撃に関しては既に二軍のレベルではないだけに、サード、ファーストでの起用も検討しても良いのではないだろうか。