米小売売上高、8月は予想外に増加-オンライン購入が支える
(ブルームバーグ): 8月の米小売売上高は市場の予想外に増加した。オンライン購入に支えられた。その他の分野は強弱まちまちだった。
自動車とガソリンスタンドを除いたベースでは4カ月連続で増えた。
13項目のうち5項目で増加。無店舗小売りは1.4%増。一方、電気製品や衣料品、家具などは減少した。ガソリンスタンドでも減少。ガソリンの値下がりを反映した。
国内総生産(GDP)の算出に使用される飲食店と自動車ディーラー、建設資材店、ガソリンスタンドを除いたコア売上高(コントロールグループ)は0.3%増加。
コア売上高は3カ月間の年率ベースでは5.7%増と、2023年8月以来の大幅な伸びを示した。
キャピタル・エコノミクスの北米担当エコノミスト、オリビア・クロス氏は「予想より強い8月の小売売上高データは、急速な富の増加やエネルギー価格の下落に後押しされ、労働市場の減速にもかかわらず、消費者が自由に支出を続けていることを示唆している」とリポートで指摘した。
雇用と賃金の伸びは鈍化の兆しを見せているものの、家計需要が底堅いことを今回の数字は示唆している。ただ、18日の連邦公開市場委員会(FOMC)会合における意思決定に重大な影響を与えるほどではないとみられる。
エコノミストらは、雇用の伸び鈍化に加え、借り入れコストの高止まりや新型コロナウイルス禍で積み上がった貯蓄の枯渇、生活費の高騰で、最終的に消費者は支出を減らすと予想している。
小売売上高の数字は物価変動の調整が加えられていないだけでなく、消費支出全体に占める割合が比較的小さい財の購入を主に反映している。今月下旬に公表される8月の個人消費支出(PCE)統計では、財とサービスへのインフレ調整後の支出がより詳細に示される見通しだ。
小売売上高で唯一のサービス項目である飲食店の売上高はほぼ変わらずだった。
統計の詳細は表をご覧ください。
原題:US Retail Sales Post Surprise Gain, Helped by Online Stores(抜粋)