【菊花賞】トライアル組は着順で取捨、神戸新聞杯勝ちは複勝率5割超え メイショウタバルが展開のカギを握る
重視すべきは人馬の呼吸
来年、JRAは重賞日程を改編する。時代にそぐわない状況を変える姿勢は理解できるものの、長年の競馬ファンにはしみ込んだリズムがある。今週はなんだっけとレースを思い出すまでもない。日程は暗記というか、頭に叩き込まれている。来年はこの回路を大きく組みかえないといけない。 【秋華賞2024 推奨馬】全28回で勝66.7%で複88.9%の強データを持つ! SPAIA編集部の推奨馬を紹介(SPAIA) そんな大改編のなか、ひっそりホッとしたのが菊花賞だ。ここ10年ぐらいだろうか、もっと前からだろうか、菊花賞は芝2400mに変えたらどうかという声がある。ある調教師はかつて、将来を考えると3000mを走るメリットが少ないとも語った。発言の趣旨は理解できる。2400m適性を重視した馬づくりにおいて、3000mは越えなければならないハードルではない。 昨年、皐月賞馬とダービー馬がそろって菊花賞を走ったが、これは23年ぶりのこと。三冠がかからない限り、菊花賞は是が非でも勝つレースではなくなった。クラシック三冠最終戦がそれでいいのか。議論が起こるのは自然な流れだろう。 しかし、淀の丘を二度越える3000mには2400mでは問えない能力がある。そして、3歳夏から秋にかけ充実期を迎える馬、長距離で力を発揮する馬もいる。多様性こそ競馬。菊花賞の3000mは競馬の間口を広げるためにも必要だと個人的には考えるが、みなさんはどう思うだろうか。 ここからは、菊花賞をデータとともに展望する。データは21、22年阪神を含めた過去10年分を使用する。 春二冠を制した馬がそろう機会が少なくなり、近年は混戦の年が増えた。1番人気【3-0-3-4】勝率30.0%、複勝率60.0%をはじめ4番人気【2-2-1-5】勝率20.0%、複勝率50.0%までは横一線で、5番人気【1-0-1-8】勝率10.0%、複勝率20.0%、7番人気【1-1-1-7】勝率10.0%、複勝率30.0%など伏兵との差はさほどない。 全馬初となる3000mを乗り越えるには、やはり人馬の信頼関係は大切だ。継続騎乗【8-6-8-99】勝率6.6%、複勝率18.2%、乗り替わり【2-4-2-50】勝率3.4%、複勝率13.8%と継続騎乗が一歩リードする。ちなみに乗り替わり2勝はフィエールマンとドゥレッツァでどちらもルメール騎手だった。同騎手は今年、アーバンシックに騎乗予定なので、継続騎乗。乗り替わりは減点したい。これは一発勝負のクラシックの特徴でもある。