【プロ1年目物語】史上最高の遊撃守備、新人最多56盗塁…無名のドラフト5位小坂誠の歴史的快進撃!
チームでただひとり135試合にスタメンフル出場を果たし、打率.261、1本塁打、30打点、56盗塁、38犠打。球団23年ぶりかつ、5位指名から下克上の新人王に輝き、翌年から「背番号1」に変更することも決まった。 猛打賞の衝撃デビューを飾り、同期の新人捕手・清水将海とお立ち台に呼ばれた1997年4月5日の開幕戦。デーゲームで行なわれたこの試合、小坂は埼玉県浦和市の合宿所から、水道橋の東京ドームまで初体験の朝のラッシュにもみくちゃにされながら電車通勤したという。恐らく、周囲の乗客からは身長167cmで童顔の新入社員の慣れない通勤風景に映ったことだろう。だが、下克上ルーキー小坂誠の快進撃は、栄光に向かって走るあの列車から始まったのである。 文=中溝康隆 写真=BBM
週刊ベースボール