過熱する中学受験、親たちのリアルな声「1年前の自分に言っておきたいこと」とは
子どもが集中できる環境を整えよう
勉強するのは子ども本人ですが、その勉強をできる環境を整えてあげるのは保護者です。塾によっては、テキストが何冊もあったり、膨大な量のプリントが配布されたりします。 話を聞かせてくれたママも、小学6年生になってからのプリントの量にビックリしたと話してくれました。塾に行くと、1教科につき5枚以上のプリントを持って帰ってくるそうです。4教科分あるので、1日20枚以上のプリントが家の中にどんどん増えていくということ。これらのプリントがあちこちに散らかっていては、復習しにくいですよね。 子どもが帰ってすぐに整理できるように、教科別にファイルなどを用意して、取り出しやすい場所に収納スペースを確保してあげましょう。このとき、「子どもの目線」で考えてあげることが大切です。ママだけが「ここがいい」と判断して場所を決めてしまうと、子どもにとっては使いづらくて結局散らかることになります。机に座ったまま手の届く範囲に収納スペースを作るなど、子どもと話し合いながら決めてあげてください。 また、机の上が汚いとやる気もなくなってしまうので、消しゴムのカスをすぐに集められるホウキや卓上クリーナー、机をきれいに拭くウエットティッシュなども準備しておくといいですね。
保護者の「塾時間」を確保しよう
塾のテキストや解説を見ながら子どもの勉強に付き添うなど、保護者も塾のために時間を割く必要が出てきます。学年が進むと、志望校を書いて提出したり、アンケートがあったりと、保護者向けの書類が増えてきます。書類の整理や記入など、「塾のために費やす時間」がさらに必要になるのです。話を聞かせてくれたママも、「隙間時間ではなく、まとめて時間を確保した方がいい」と教えてくれました。中には子どもと話し合いながら記入することもあるので、家事や仕事で忙しい中ですが、スケジュールを合わせて時間を確保しましょう。 「塾のテストの点数がよくなかった」「新しい勉強がわからない」落ち込んで、子どものサポートが必要なときもあると思います。一人で悩んでしまわないように、日ごろから子どもの気持ちや塾の様子を聞いて向き合う時間も作ってあげてください。そうすることで、子どもの悩みが大きくなる前に打ち明けやすい雰囲気ができたり、家族の中で「私だけがんばっている」という孤独感がなくなったりすることにつながります。 話を聞かせてくれたママは、「終わったときに“できることはやった”と家族で思いたい」と話してくれました。来年以降に子どもの中学受験を控えている人も、生活や環境を整えることから準備を始めてみてはいかがでしょうか。 今年受験する子どもたちが、全力を出し切れることを祈っています!
【PROFILE】西崎彩智
西崎彩智(にしざき・さち)/1967年生まれ。お片づけ習慣化コンサルタント、Homeport 代表取締役。片づけ・自分の人生・家族間コミュニケーションを軸に、ママたちが自分らしくご機嫌な毎日を送るための「家庭力アッププロジェクトⓇ」や、子どもたちが片づけを通して”生きる力”を養える「親子deお片づけ」を主宰。NHKカルチャー講師。「片づけを教育に」と学校、塾等の全国の教育施設にて講演・授業を展開中。テレビ、ラジオ出演ほか、メディア掲載多数。