今も年間1万人以上が感染 せきや体のだるさが続いたら要注意?令和に知っておきたい『結核』の脅威と症状 発症のカギを握るのは「免疫力」
結核は治療できる病気 半年以上の服薬
結核は薬で治療できます。宮下教授によりますと、抗結核薬を半年から9か月間、飲み続けるというもので、服用を途中でやめてしまうと、耐性のついた菌が現れ、薬が効かなくなり、治療が困難になることもあるということです。 この原則は、結核に限ったことではありません。薬剤師が「お薬は最後まで飲み切ってくださいね」と言うのは、このためです。症状が出なくなったからといって自己判断で服薬を中止すると、菌が耐性を持ってしまう可能性があります。 さらに、宮下教授によりますと、海外では既に、薬が効きにくい、耐性を持つ結核菌が出現しているということで、そうしたものが日本に入ってくると、また違った局面になるかもしれません。
BCG接種は大人に必要なし 結核に特に注意が必要な人とは?
結核を予防するために接種するのが、BCGワクチン。“ハンコ注射”とも呼ばれ、子どものころに予防接種を受けた人も多いのではないでしょうか。現在は、生後1歳までに接種となっています。ただ、この予防効果は10数年と言われています。 ではもう1度、BCGを接種したらよいのではと思うかもしれませんが、宮下教授によりますと、それは医学的には違う話で、「大人は基本的に免疫があるので、予防接種の必要はない」ということです。 結核は誰もが感染する可能性がありますが、特に注意が必要なのが、高齢者や糖尿病患者のほか、ステロイドを使用している患者、人工透析を受けている患者などです。これらの人々に共通しているのは、免疫力が低下している点です。ステロイドは免役を抑える作用があります。 宮下教授は、結核に対しては「免疫力」がカギだとして、「栄養と睡眠をしっかりとることが大切」とコメントしています。