新型コロナ専門家会議が会見(全文4)全世代で互いを守る行動を
トリアージを直視しなければならないのか
中島南事務所:すいません、中島南事務所です。よろしくお願いいたします。11ページの医療崩壊に備えた市民との認識共有のところで率直なご意見を伺いたいと思います。文末のところに、人工呼吸器など限られた医療資源の活用のあり方について市民にも認識を共有していく必要があるということが書かれています。西浦先生のほうから先ほど、流行曲線では重篤者の半分が亡くなることもありうると、決して重い話ではないということをおっしゃられました。この2つを重ねて考えると、イタリアのようなトリアージについてもわれわれは直視していかなければならないんでしょうか。その辺のご所見をお願いしたいんですが。 西浦:まず疫学的にリスクの話からなんですけど、感染者の爆発的増加が実際に起こってしまった場合には一定の数で感染者が増えます。その場合には容易に1つの地域が持ち合わせている人工呼吸器だったり、あるいは集中治療のキャパシティーというのを越えてしまうことがあるというのが欧州だったりアメリカだったりの指数関数的な、特に爆発的な指数関数的増大が見られた地域で共通していることです。その可能性というのが日本でも起こることが十分にあるということを想定して、この先のことを考えていかないといけないと考えています。
意思が不明瞭な状態をなるべく避けたほうがいい
武藤:海外、ヨーロッパで、何歳以上の人にはもう装着しないとか、そういうルールを決めたところもあるんですけど、それは患者さんが急激に急増してしまってそう判断せざるを得なかったっていう状況だと私は理解しています。 で、日本はそうではないので、いきなりそういう年齢でばっと線が切られるとか、そういう現実が頭ごなしに振ってくる状況を避けないといけないと思っています。ですので、まずはご自身がどういう医療を受けたいのか、そして自分の意思はなんなのか、やはり患者さんの同意っていうのは医療においては最も重要視されることですので、その意思が不明瞭な状態をなるべく避けたほうがいい、それだけでも医療者はすごく助かることだと思っています。 それはトリアージっていう形になるのか、あるいはどういう意思決定のプロセスでそれを決断するのかはもっと議論が必要ですので、今日を機会にいろんな形で議論が進むことを願っています。 中島南事務所:ありがとうございます。