大坂なおみの全仏1回戦敗退と全英OP欠場示唆発言が世界に衝撃…「ショッキング」「エキシビションのようなものに」
テニスの全仏オープンの女子シングルス1回戦が23日、パリのローランギャロスで行われ、世界38位の大坂なおみ(24、フリー)が同28位で第27シードのアマンダ・アニシモバ(20、米国)に5-7、4-6のストレートで敗れ1回戦で姿を消す波乱が起きた。大坂は今年1月の全豪の3回戦でアニシモバに逆転負けを喫しており、今回はリベンジ戦だったが、サーブが不安定でクレーコートを得意とするアニシモバのパワーに押さてペースをつかめないまま敗れた。また試合後の会見で「ポイントがつかなければモチベーションが上がらない」と来月に控えている全英OPの欠場を示唆した。 全英OPの主催者はロシアのウクライナへの軍事侵攻を理由にロシアとベラルーシ選手の出場を認めないことを決め、同大会に世界ランキングのポイントが与えられないことが各統括団体から発表されていた。4大大会優勝経験者である大坂の1回戦敗退と、全英OP欠場示唆は世界へ衝撃を与え、海外メディアは、このニュースを大きく取り扱った。
欧州をカバーするユーロスポーツは「大坂がアニシモバに敗れ、スター選手が全仏オープン2022でショッキングな1回戦敗退を喫する」との見出しを取り、「大坂が1回戦で砕け散った。24歳(の大坂)はテニス界から距離を置く前にメンタルヘルスの問題について言及し、ドラマチックな棄権をしていた2021年の大会からローランギャロスでの復帰を果たした。だが、今年のクレーコートシーズンでの準備はパリに向かう前のイタリアオープンを欠場することになった足首の故障で妨げられていた」と大坂なおみの敗戦を伝えた。 大坂は2回戦で敗退したマドリードで左のアキレス腱を痛め次のイタリアOPを欠場していた。同記事は専門家の意見を掲載しており、2度の全仏OP決勝進出経験があるユーロスポーツ解説者のアレックス・コレチャ氏は、「試合結果は驚きとして受け止められるかもしれないが、この結果は、大会に臨む2選手の状態から予期されたものだった。驚きはない」とコメントした。 準備が万全ではなかった大坂に対して、アニシモバはマドリードとイタリアOPの2大会でともに準々決勝まで勝ち進んでいた。コレチャ氏は「アニシモバは、この数週間のクレーコートで良いプレーをしていた。大坂が1回戦で、そのアニシモバと対戦することになった組み合わせはとても厳しいものだった。結果には驚きはないが、大坂は グラスコートのシーズンで良いプレーをするだろう」と続けた。 また4大大会で7度の優勝経験を持つスウェーデンテニス界の“レジェンド”マッツ・ビランデル氏は、「大坂がテニスコートに戻ってきて、また競うようになってうれしい。クレーコートは、彼女にとってベストのサーフェスではないにもかかわらず、プレーを楽しんでいるように見えた。戻ってきてくれてうれしいが、両選手にとって(1回戦での顔合わせは)残念な組み合わせだった」と、完敗したものの大坂の健闘を評価した。