【バイデン撤退の予測的中!】神聖化するトランプに、ハリスはどう対抗するのか?
民主党支持者の反応
暗殺未遂事件後に撮影された右耳から血を流しながらも、高く拳を突き上げているトランプ前大統領の写真は、この段階ですでに大統領選挙を決定づけたという声がある。しかし、「トランプ神聖化」はどのぐらい持続力があるのか。 東部コネチカット州在住の民主党支持者の夫婦に、暗殺未遂のときのトランプ前大統領の言葉などについて聞いてみた。2人はコロンビア大学で教育学の博士号を取得した。夫(70代)は、都市部に住む子供の教育を向上させる団体のトップを務めている。一方、妻(60代)はコロンビア大学で教鞭をとっていたが、現在は退職している。 まず、夫はトランプ前大統領が銃撃を受けても、拳を突き上げて「戦う」といった言葉を「自分のために戦う」決意であるという意味に解釈した。また、現在の民主党にはトランプ前大統領の犯罪の動機と記録について、米国民に明らかにしてくれるリーダーが存在しない点に強い不満を持っている。 彼は、バイデン大統領が選挙戦から撤退し、元検事のカマラ・ハリス副大統領がその役割を果たしてくれることを期待していた。 一方、妻は例の一枚の写真を通じて、トランプ前大統領を「神のような存在」にするのは危険であると考えている。
ハリスはどう対抗するのか
バイデン大統領が選挙戦からの撤退を表明し、カマラ・ハリス副大統領を支持したため、ハリス氏が民主党大統領候補になる可能性が高まった。 仮にハリス副大統領が民主党大統領候補になれば、元検事であるハリス氏は、トランプ前大統領の重罪を厳しく追及することは間違いない。9月10日に予定されている2回目のテレビ討論会では、ハリス副大統領は事実関係を突き、トランプ前大統領の反論に対して、再反論をするだろう。トランプ氏が嘘をつけば、ハリス氏はそれを正し、データを示すだろう。 ハリス副大統領には、1回目のテレビ討論会でバイデン大統領ができなかったことができる公算が大きい。1回目の討論会におけるバイデン大統領は、パフォーマンスが低調で悲惨であった。それだけにハリス副大統領には、より良く見える心理的効果が期待できる。 仮にハリス副大統領が民主党大統領候補になった場合、トランプ前大統領の重罪を徹底的に追及して、「一点突破」できるかが鍵になるだろう。
海野素央