能登半島地震から半年 倒壊した家屋の解体できず復旧・復興は「前に進まん」 もどかしい状況続く被災地
取材班が中島さん親子と最初に出会ったのは、発災5日目の日でした。中島さんたちは避難所と倒れかけた家を何往復もして、必要なものを運び出していました。飼っていた猫「ノラ」の姿も、地震の日から見えなくなってしまったといいます。
その後、2人は居場所を転々とする生活が続きました。6月29日に再び自宅を訪ねると、雨や風に加え、その後も続いた大きな揺れで、家は徐々に崩れていました。公費解体を申請しましたが、時期は決まっていません。 「解体業者も忙しいから、なかなか。7月中頃にできればいいけど…」と話す由起さんの隣で、母親の英子さんは「進まんわ、前に」とつぶやいていました。 半年前にいなくなったノラも、まだ見つかっていないといいます。
英子さんは、金沢に住む家族から一緒に暮らそうと誘われていますが、「自然が大好きだから都会には行きたくない。やはりここにおりたい」と、住み慣れた場所に残ることを望んでいます。 この先のことは、あまり考えないようにしているという中島さん親子。 中島由起さん: 「この先って言っても分からないです。本当に分からないんです、復興って言われても」 7月1日、能登半島地震が発生した午後4時10分には、各地で黙祷が捧げられました。半年が経過してもなかなか進まない被災地の復旧・復興。手助けしたいという人も多い中、現在ももどかしい状況が続いています。