能登半島地震から半年 倒壊した家屋の解体できず復旧・復興は「前に進まん」 もどかしい状況続く被災地
その後、宝立小中学校の校庭には、153戸分の仮設住宅が建設されました。学校は授業を再開しましたが、元々60人いた小中学生は当時の半数程度に減っています。 避難所を運営 多田進郎さん: 「昔のような地域づくりができるのか。(住民に)いろんな感情があって、ここに住もうかどうしようか、慣れ親しんだ地域だから住みたい、住むためにはどうすればいいかという課題もある」
発災から半年。学校は水が使えるようになっていますが、周辺は断水したまま。まだ校内で避難生活を続ける人もいます。自宅に戻った人たちも、自衛隊が設営した避難所の風呂に入りにきているといいます。
「これまでに見られないスケールの被害」 断水解消の地道な作業続く
一部地域で断水が続く輪島市。ここで復旧作業にあたっているのが、名古屋市上下水道局の職員です。水道管の損傷具合を調査し、損傷があった場合は工事業者に修理してもらって断水を解消しています。 漏水がないかどうか、一箇所一箇所チェックする職員たち。作業をしていると、地元の人から漏水している場所があると声をかけられました。
現場に急行すると、水がちょろちょろと漏れている止水栓が。こうした漏水も一つ一つ直していかないといけません。すぐに作業をはじめ、漏水を止めました。 発災から半年が経ちますが、このような地道な作業が続いています。断水が長引いている背景には何があるのでしょうか。
名古屋市上下水道局 大山智さん: 「今までの地震と比べると大きな揺れ、大きな地盤変動があった。これまでに見られないようなスケールでの被害があった」 配水管や浄水場にも大きな被害を受けたという輪島市。復旧作業にあたる名古屋市の職員たちは、地震への備えとして「水の備蓄」が重要だと話します。
「この先って言っても分からない」 居場所を転々としながら地元に残る親子
6月30日、珠洲市宝立町。中京テレビの取材班が会いに行ったのは、中島由起さんと、母親の英子さん親子。地震と津波で倒壊した自宅を離れ、5月から「みなし仮設」のアパートに身を寄せています。 メゾネットタイプの1人用アパートに2人で暮らす中島さんたち。避難所よりは気持ちは楽になった反面、情報が入らず地域から外れた感じがすると話します。