小池知事「現状は『感染拡大特別警報』」 酒類提供の飲食店など営業短縮を要請
東京都は30日、新たに367人の新型コロナウイルス感染が確認されたと発表した。午後5時から臨時会見を開いた小池百合子知事は、「現状は感染爆発も憂慮される極めて危機的な事態。一定の抑制が必要で『感染拡大特別警報』の状況だ」と都民に呼びかけ、酒類を提供する飲食店やカラオケ店に対して営業時間の短縮を要請すると発表した。 【動画】東京都で過去最多367人の感染確認 小池知事が臨時会見
8月末まで午前5時から午後10時までに
都は同日午後、都内の感染状況や医療提供体制を分析・評価する専門家らによるモニタリング会議と、コロナ対応を検討する対策本部会議を開催。さらなる感染拡大防止のため、8月3日から31日まで、酒類を提供する都内の飲食店やカラオケ店に対し、営業時間を午前5時から午後10時までに短縮するよう求めることを決めた。この要請は新型コロナウイルスに対応する特別措置法第24条9項に基づく。 モニタリング会議では、都内の感染状況について「感染が拡大していると思われる」、医療提供体制については「体制強化が必要であると思われる」とそれぞれ前週から判断を据え置いたが、会見で小池知事は、専門家らの意見を踏まえると「一刻の猶予も許されない。速やかな取り組みの推進が必要」だと述べた。
協力した中小事業者には一律20万円を支給
感染経路については「会食での感染事例が報告されることが増えている」と指摘。飲食店で長時間、大人数で飲み会や懇親会などを行い、大声で会話していたケースや、少人数でも至近距離で会話していたケースが報告されているとした。 小池知事は「夜間の繁華街への外出は控えていただくようにお願いする」と都民に呼びかけた上で、「これからの新型コロナウイルスとの長い戦いを見据えたとき、完全に営業を辞めてもらうのは現実的ではない」と述べ、営業時間の短縮に協力した中小事業者には一律20万円を支給することを明らかにした。ガイドラインを順守し、都の感染防止宣言ステッカーを掲示している店が条件になる。財源としては国に対して「予備費の活用もお願いしたい」と注文をつけた。
感染状況によっては都独自の「緊急事態宣言」も
都内の感染状況については、地域的には区部にとどまらず、多摩地域にも広がっており、都内全域で60代以上の感染者が確認されている。年代別で見ても、依然として20代・30代が6割を占め最も多いが、40代・50代も2割を超え、重症化リスクが高まる60代以上にも感染が拡大しているという。 今後の感染状況次第によっては「都独自の『緊急事態宣言』を出すことも考えないといけない」とも述べ、注意を促した。