イチローのトレード消滅?それとも?
■イチローのライバルへ戦力外通告 イチローの周辺が、また騒がしくなった。米大リーグのヤンキースは米国時間の10日(日本時間11日)、球宴度選出のバーノン・ウェルズ外野手を、40人のメジャー登録から外したと発表した。事実上の“戦力外通告”で、本人もツイッターで「ヤンキースの一員となれたことに感謝している」とファンに別れの挨拶。ヤ軍が、飽和状態だった外野手の“整理”に、ついに着手した。 広島・前田智徳はイチロー以上! 最高のバッターだった
今オフ、ヤ軍は外野陣を大型補強。レッドソックスからFAでジャコビー・エルズベリーを7年約157億8700万円で契約すると、カージナルスからFAでカルロス・ベルトランを3年約46億4200万円で獲得。昨季まで外野を占めていたイチロー、ブレット・ガードナー、バーノン・ウェルズ、アルフォンソ・ソリアーノと合わせて6人の飽和状態だった。 キャッシュマンGMは「中堅はエルズベリー、左翼はガードナー、右翼とDHはソリアーノとベルトランの併用で行く」と来季の構想を語り、飽和状態の外野について「何らかの好ましい動きを考えている」と、トレードを示唆していた。そのため、イチローか、ウェルズのどちらかは、“必ず切られるだろう”とみられていたが、先にヤンキースが排除したのはウェルズだった。 ■高まるトレード消滅 この“選択”について、関係者の間では、「一発のあるウェルズの方が代打でインパクトがある」という意見と、「守れないウェルズより、代走から出場して、そのまま守備固めができるイチローの方が重宝する」という意見に分かれた。また、球団は、総年俸を今季の贅沢税が免除となる1億8900万ドル(約190億円)以内に抑えようという方針も掲げていた。 昨オフ、エンゼルスからトレードでヤ軍に移籍したウェルズは、来季の年俸2100万ドル(約21億円)中、1860万ドル(約19億円)を古巣のエ軍が支払うことになっており、ヤンキースが支払うのは、わずか240万ドル(約2億5000万円)ドルだけ。総年俸を本気で抑えたいなら、年俸650万ドル(約6億5000万円)のイチローを放出すべきだという意見も多かった。 その状況の中、ウェルズが先に斬られたことにより、イチローのトレードが消滅する可能性が高くなったとも考えられるが、それは決定的ではなく、話はそう単純ではない。NYポスト紙のシャーマン記者は、この日、ツイッターで「それでもチームはイチローのトレード放出に動くだろう」と、つぶやいた。