今はまだ見えない、レッドブルを追われたペレスの行く先。F1復帰か別のレースか、それとも完全引退か
セルジオ・ペレスのレーシングドライバーとしての日々は、今季2024年の最終戦アブダビGPを早い段階でリタイアしたことで終わったのかもしれない。 【写真】多額の違約金を受け取るかわりにレッドブル側からの契約破棄に承諾したセルジオ・ペレス メキシコ人ドライバーは、レッドブル・レーシングとの契約を多額の金銭的補償と引き換えに解消したが、F1のトップチームでレースをするチャンスは二度とないことを理解しているはずだ。彼はグランプリやチャンピオンシップで勝てるマシンに4年間乗った後に、中団チームに戻るのは気が進まないとつねに語ってきた。 2026年のドライバーズマーケットは、アイザック・ハジャルが来シーズン、角田裕毅のチームメイトになることが確定してからすぐに始まった。しかし、実際のところ空席はそれほど多くなく、その多くはレッドブル所有のチームと結び付いている。 メインチームに昇格したリアム・ローソンと、RBの角田、そしてハジャルは、オーストリアの企業がいつもやるように、どちらかが終了を決めた時点で終わる契約を結んでいるため2026年までのシートは確保されていない。 一方、ジョージ・ラッセルのメルセデスとの現行契約は2025年末に終了する。また、ジャック・ドゥーハンも来年末に契約が切れるドライバーのひとりだ。なお、2026年のF1にはキャデラックが新たに参入する予定であるため、今後12カ月以内に埋められるべきシートはさらにふたつあることになる。 ただし、メルセデスがペレスに声をかける可能性は低く、4連覇チャンピオンのマックス・フェルスタッペンがメルセデスへのセンセーショナルな移籍に同意しない限り、ラッセルは契約を延長するはずだ。そしてレッドブルの扉は閉ざされていることを考えると、ペレスには競争力のあるチームからグランプリレースに復帰する選択肢が残されていないと考えられる。 彼は最近、「あちこちでポイントを稼ごうとするレースには興味がない」と断言し、「レースに勝てるし、競争力もあることは証明した。だから、トップレベルで戦える位置にいない限り、レッドブルでの時間が終わった後、F1に留まるつもりはない」と主張した。 もちろん、これはペレスがレッドブルに残れないことを知る前に言ったことだ。しかし、たとえ有利な契約が提示されたとしても、彼が2026年にキャデラックに復帰することを受け入れる可能性はほとんどないだろう。現在4人の子どもの父親であるペレスは、メキシコで多くのビジネスに携わっているし、スリム一家との親密な関係を保っているので、これからの生涯において、メキシコ国内でよく知られた人物となるだろう。 また、NTTインディカー・シリーズはペレスにとって魅力的ではないようだ。WEC世界耐久選手権については好条件のシートはすべて埋まっているため、彼は自分に残された選択肢をじっくり検討するかもしれない。しかしもっともありそうなシナリオは、彼がひっそりと引退し、同じく最近レッドブルから放出されたダニエル・リカルドのように、モータースポーツ以外の関心事を追求することではないだろうか。 [オートスポーツweb 2024年12月24日]