【写真：Getty Images】

　サッカークラブの持つ影響力は単一の尺度で測れるものではないが、複数の指標から見えてくるものがある。今回はJ1、J2、J3の全60クラブを対象に、成績、人気、育成、売上の4つの指標を抽出して数値を組み合わせてランキング形式にした。果たして、最も“力のある”Jクラブはどこなのだろうか。ランキングを順位ごとに紹介する。※見出しの括弧内の数字は、各項目の1位（最高位）を60ポイント、60位（最下位）を1ポイントとして降順で計算した合計値。

【写真：Getty Images】

1位タイ：サンフレッチェ広島（223） 2024リーグ戦成績：2位（J1） 2024シーズンホームグロウン人数：15人（1位） 2024リーグ戦ホームゲーム平均入場者数： 25,609人（5位） 2023年度営業収益：約41億9800万円（13位） 　Jリーグパワーランキングのトップに輝いたクラブの1つが、2024シーズンのJ1で2位となったサンフレッチェ広島だ。最終節までリーグ優勝を争い、充実したシーズンを過ごしたと言えるだろう。 　2024シーズンの広島にとって大きな出来事は、エディオンピースウイング広島への移転だった。サッカー専用の新スタジアムでは1試合平均25,609人を動員し、昨シーズンの16,128人（リーグ11位）から大幅に増加してリーグ5位に急上昇した。スタジアム移転の効果が観客動員数の増加に大きく寄与している。 　広島の最大の強みの一つは育成組織だ。2024シーズンのホームグロウン選手は15人でリーグ最多。GK大迫敬介、DF荒木隼人、MF満田誠、FW加藤陸次樹らがチームを支えたほか、シーズン途中に広島へ復帰したMF川辺駿や、今シーズン限りで現役を引退した青山敏弘もホームグロウン選手である。ベテランから若手まで、全ポジションにアカデミー出身者がそろっているのは広島の大きな財産だ。 　営業収益は2023年度で約41億9800万円（リーグ13位）だったが、これはスタジアム移転前の数字であり、今後「新スタジアム効果」による増加が期待される。2024シーズンの観客動員数を考えると、飛躍的に収益が伸びても不思議ではなく、来年のパワーランキングで単独首位となる可能性も十分にあるだろう。