「レッズとブライトンが試合したらどっちが勝つ?とよく想像する」清家貴子が海外挑戦で驚いた最前線の環境と心の支え
レッズとブライトンが試合をしたら…
――今季は8チームに12人の日本人選手がいて、なでしこジャパンのチームメート対決も多いですよね。これだけ日本人選手が活躍できている現状についてはどう見ていますか? 清家:たしかに、毎週日本人対決が続くので不思議な感覚です(笑)。強くて速い外国人選手が多い中で、どのチームでも日本人選手がいいアクセントになっていて、みんなそれぞれの特徴をうまく活かせているなと思います。やっぱりアジリティや技術、準備や予測の質などは日本の良さだと思うし、代表でやっていてもその部分は強みだと感じます。逆に、パワーやスピード、ボールに対する執着は、こっち(イングランド)は本当に強いです。最初の練習で、脚に大きなアザができましたから(笑)。ドリブルで完全に抜ききっても、後ろから当たり前のようにシャツを引っ張ってくるので、最初からそこまでするんだ!って、それも驚きました。みんな練習からよくアザを作っていますね。 ――日常からケガも含めて気が抜けないですね。強度やレベルは、WEリーグよりも高いという印象ですか? 清家:サッカーの種類や質が違うので、「日本よりもイングランドのほうがレベルが高い」とは言えないと思います。だから、去年のレッズと今年のブライトンが試合したら、どっちが勝つんだろう?とよく想像するんです。自分は両方のチームで出ているイメージなんですけどね。 ――それはぜひ現実でも見てみたい対戦カードですね(笑)。海外挑戦でゼロからのスタートを切る上で最初は精神的なプレッシャーもあったと思いますが、どんなことが心の支えになっていますか? 清家:自分の場合は、チャレンジしてもしうまくいかなかったとしても、レッズに戻れる場所があると信じているので、自分で勝手に思っていることなんですけど、それが心の支えになっています。だからこそ、失敗を恐れずに思いっきりやれているのかなと。 プレー面では、自分の場合は個で突破してゴールを狙っていけることを強みとしているので、積極的に仕掛けてみたら、そこが思っていたより通用するという感覚で、「戦える」と分かったのは大きいです。ヨーロッパのトップリーグで戦えれば代表でプレーする時の自信にもつながりますし、強い相手や速い相手に対しても構えなくなると思いますから。 <了>