「結構ボリュームがある」「この値段でこの美味しさは凄い」…。ガストの「1990円・高級フレンチ」に見るファミレス業界の変容
次に、カリフラワースープが来る。 そしてメインディッシュがやってくる。ハンバーグがお馴染みのガストだが、こちらもハンバーグをメインディッシュに持ってきている。 最後は、デザートはブランマンジェで締める。 コース料理らしく、それぞれのメニューはバラバラでやってくる。これ、店員さんからしたら、持ってくるタイミングを見計らうのが、けっこう難しいだろう。 ライス、またはパンもついて、全部食べるとしっかり食事を取った、という気分になる。これで1990円は、確かにお得感が強い。
ちなみに筆者は、料理の専門家ではないので味の評価はなかなか下せない。実際の味がどうなのか、についてはフードスタジアム編集長の大関まなみさんが書いた『ガスト「1990円高級フレンチ」の値段より凄い箇所 身近なお店でフレンチの魅力を楽しむきっかけに』を参考にしてほしい。 ■そういえば、これ、デニーズもやっていたな? そういえば、と思い出したのが、デニーズのことだ。実は同社も、こうした有名シェフとのコラボメニューを積極的に推進している。
2023年9月から開業50周年を記念して、都内の有名料理店のシェフが監修したメニューを提供。 第1弾はイタリアン「Regalo」の小倉知巳シェフが監修したイタリアンのコース。第2弾はフレンチ「アロマフレスカ銀座」の原田慎次シェフ、第3弾はフレンチ「ルカンケ」の古屋壮一シェフがそれぞれ監修を務め、かなり本格的なコース料理が提供されていた。 ただ、不思議なのは、ガストのコースを食べるまで、すっかりデニーズの取り組みを忘れてしまっていたことだ。事実、これらはあまり話題になっていなかった(ような気がする)。
今回のガストのフレンチコースが、ウェブメディアをはじめ、多くのニュースで取り上げられていることと対照的だ。デニーズのコラボ、どこかインパクトに欠けているのだ。 ■値段的にインパクトが出せなかったデニーズのコース料理 おそらく、その大きな理由が価格にある。 ガストの場合、前菜・メイン・スープ・デザートまでついて税込み1990円で、コスパ的にはかなりインパクトがある。 一方、デニーズのコラボでは、第3弾まではすべてのメニューにデザートが付いておらず、コラボ第3弾の「ルカンケ」コースは税込み2739円。ちなみにこのコースのメインはトリュフソースのオムバーグだが、ガストのコースのメイン料理も、黒トリュフが香るペリグーソースのハンバーグ。こうなると、デニーズの方の割高感がどうしても目立ってしまう。