史上最年少14歳でプロになったテニス選手が、なぜパティシエールに!? 23歳でママプレイヤーにもなった西村佳奈美さん「食べた人が笑顔になるお店を目指して」
いろいろなお客さんが来てくれてお話ができるのは楽しい
現在は、お店を軌道に乗せるためにテニスの活動はほぼストップ中。依頼を受けて近隣の学校にテニスの指導に行ったり、イベントに出たり、だそう。ただ、幼少期のように父に言われたとおりに動くのではなく、旦那さまと協力しながら家事、育児、お店の切り盛りする生活は、ハードながら充実感をにじませます。 【西村さん】:いろいろなお客さんが来てくれて、お話ができるのは楽しいです。充実もしているけど、子どもとの時間がなかなか取れなくて。そこは悩みです。この間は休みがあったので遊びに行きましたが、もう少し一緒に過ごせるといいなと思っています。 ――今度どんなお店を目指していますか? 【西村さん】:想いはいっぱいあります。店名の”ボヌール”って、そばの花言葉のひとつで幸福っていう意味なんです。みんながうちの蕎麦包みやお菓子を食べて笑顔になってくれるといいなと思っています。
テニスで培った忍耐力集中力でパティシエールまでこなす
いくらやらなければならない状況になったとしても、全く違う分野にトライすること、集中して取り組み、お客さんに提供できるレベルまで仕上げること、そしてそれを日々作り続けることは誰でもできることではありません。 この日の取材中も手際よくどんどんお菓子を作り続け、難易度が高そうなカヌレもとっても美味しそうに仕上げていました。さすがテニスという厳しい競技で世界一をとった人の精神力だと感動。 今後のお店の発展、そしてその先にあるかもしれない西村さんのテニス選手としての復帰も楽しみにしたいなと感じたインタビューでした。 ■蕎麦包みBonheur(ボヌール) 住所: 東京都足立区千住旭町41-14 かるがもガーデンB号室 営業時間: 12:00~19:00(土日祝11:00~)(食材無くなり次第次第営業終了) 定休日:火曜休み(詳細はInstagramを確認) ■お話を伺ったのは 西村佳奈美さん プロテニスプレイヤー、「蕎麦包み Bonheur(ボヌール)」パティシエール。 幼少期より父の英才教育を受け、小学校高学年時には伊達公子や杉山愛も所属していた荏原SSCに通うため毎週末、大阪↔神奈川を一人夜行バスに乗り練習に行く生活を送り、Jr.時代には海外遠征を一人で回るという経験をするテニス漬けの日々。2010年にはフランスで行われるJr.世界一を決める大会「Petits As」で優勝しアジア人初のJr.世界一になり、同年4月22日 史上最年少(14歳3ヶ月)にて日本テニス協会認定プロ選手に。 2016年より二年半の休養も結婚、出産を経て心機一転、2018年より現役復帰。2023年第二子出産。2024年8月より熟成そば粉を使用した「蕎麦包みBonheur(ボヌール)」オープン。
文・構成/長南真理恵