史上最年少14歳でプロになったテニス選手が、なぜパティシエールに!? 23歳でママプレイヤーにもなった西村佳奈美さん「食べた人が笑顔になるお店を目指して」
直前までテニスの練習をしていた初心者がパティシエールに挑戦
お店のオープンは8月8日予定でしたが、この時すでに7月。お店のオーナーはつとめていたものの、お菓子作りは趣味でやっていた程度の初心者。ですが、本来担当する予定ではなかった西村さんがパティシエールを勤めることに。スタッフが辞める直前まで有明でテニスの試合に出ていましたが、ここからテニスの活動はストップすることになります。 そこからは文字通り寝ずに、イチから焼き菓子の試作を繰り返し、メニューやレシピを考案。8月8日オープンは叶いませんでしたが、予定を変更し、8月29日にテイクアウト専門店「蕎麦(そば)包み&蕎麦菓子の店・ボヌール」がオープンしました。 そばにいた旦那さま曰く、西村さんは職人肌。少しの妥協もせず味を追求し、失敗すると「こんなのお客さんに出せない」と涙を流し、何度も試作を繰り返していたとのこと。「このくらい突き詰める人だからテニスで世界をとったんだな」と感動したそうです。 ――なにが大変でしたか? 【西村さん】:うちの店はそば粉を使用しているので、小麦粉を使ったレシピとは配合が違うので苦労しました。それに我が家の子どもたちは小学1年生の男の子と保育園に通う1歳の女の子とまだ小さく、夫以外近くに頼れる親族もいません。下の子は夜泣きをするので夜もゆっくり眠れないし……。でも人間追い込まれたらやるんです。こういうところでテニスで培ってきた忍耐力がいかされたのかもしれない(笑)。 ■海外遠征では世界中の焼き菓子を食べた 忍耐力が培われたというテニスのジュニア時代には1人で海外遠征にも行くことが何度もあったそう。そこでは今の仕事につながる思い出も。 【西村さん】:海外に行ってもずっとテニスコートにいて、楽しみって食べることかしかないので、おいしいお店を探して食べに行っていました。これだけ海外をまわって食べ歩きしてる人はいないって自信を持って言えるくらい。もともと焼き菓子は好きだったので、世界中の焼き菓子を食べました。フランスはなにを食べても美味しかったですが、特にフィナンシェのレベルが高かったのをよく覚えています。