台風7号 「令和元年房総半島台風」と経路類似か 西側を進むと広く暴風や大雨の恐れ
台風7号は、「令和元年房総半島台風」と似たコースを辿るおそれがあります。台風の経路次第では関東に上陸するおそれもあるため、注意が必要です。
発達しながら北上中
台風7号は今日14日午後3時現在、小笠原諸島付近を北寄りに進んでいます。小笠原諸島では雨や風が強まっていて、母島では今朝、1時間に23.0ミリの強い雨を観測しています。また、父島では午後3時過ぎに最大瞬間風速25.7メートルを観測しました。 台風はこのあとも発達しながら北上し、16日に暴風域を伴って強い勢力で伊豆諸島や関東に接近、17日にかけては東北に接近するおそれがあります。 小笠原諸島では海がすでに大シケとなっていて、明日15日以降は伊豆諸島や東海、関東、東北でも、うねりを伴って大シケとなる予想です。台風の近づく前から、海岸では高い波に注意が必要です。
強い勢力で関東に接近か
台風7号は今後発達しながら北上し、16日から17日にかけて、「強い勢力」で暴風域を伴いながら関東に近づくおそれがあります。 まだ予報円が大きく、どのルートを通るかは少し幅があります。陸地から最も離れた予報円の東側を通った場合、直撃は免れるものの、暴風域や台風本体の発達した雨雲の一部が陸地にかかる可能性があります。 一方、予報円の西側を通ると、関東に上陸するおそれが出てきます。この場合、関東の広い範囲で暴風が吹き荒れ、雨の量も多くなります。 台風接近に伴って伊豆諸島では明日から16日にかけて、関東では16日に最大風速40メートルという家屋の一部が倒壊する恐れがあります。東海と東北でも暴風の吹く所がありそうです。 また、関東では総雨量が300ミリを超え、福島県の太平洋側でも200ミリを超える大雨となる可能性があります。 16日から17日にかけては、交通への影響に厳重な警戒が必要です。
「令和元年房総半島台風」と経路類似
今回の台風7号は、「令和元年房総半島台風」(2019年台風15号)と似たルートを辿る可能性があります。房総半島台風は2019年、千葉県を中心に大きな被害をもたらしました。このとき千葉県市原市では、ゴルフ練習場の鉄柱が倒壊し、周囲の民家を損傷したニュースは記憶に新しいと思います。 房総半島台風は2019年9月9日午前5時前、強い勢力で千葉市付近に上陸しました。関東地方南部や伊豆諸島を中心に、この台風の接近・通過により暴風、大雨となりました。 このとき、房総半島は台風の進行方向の右側に位置(危険半円)し、特に風の影響が大きくなりました。千葉市では観測史上1位となる最大瞬間風速57.5メートルを観測するなど、千葉県内を中心に記録的な暴風となりました。 千葉県内では当時、柱の倒壊や倒木が相次いでおよそ93万戸で停電が発生したほか、大雨の影響で浸水害や土砂災害が発生しています。
台風が近づく前に対策を
台風が近づく前に、冠水の原因となる側溝の落ち葉などを掃除しておきましょう。また、風で飛ばされやすい植木鉢などは、屋内に入れるか固定をお願いします。 停電に備えて懐中電灯の準備のほか、スマホやハンディファンの電源となるモバイルバッテリーの充電も停電時に役に立ちます。エアコンが使用できなくなる可能性もあるため、暑さ対策も欠かせません。 なお、旅行や帰省先で過ごされている方も多いかと思いますが、現在地周辺のハザードマップの確認も重要です。
日本気象協会 本社 佐藤 匠