ローマン宇宙望遠鏡に「目」が搭載--ダークマターや系外惑星を探査

2027年に打ち上げ予定の「ナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡」（Nancy Grace Roman Space Telescope：NGRST）の光学望遠鏡アセンブリが米航空宇宙局（NASA）のゴダード宇宙飛行センターに納入された。 　NGRSTは、暗黒物質（ダークマター）や太陽系外惑星、赤外線天体物理学に関する、重要な疑問の解決を目的とした次世代宇宙望遠鏡だ。「ハッブル宇宙望遠鏡」（Hubble Space Telescope：HST）を上回る大規模な天体調査が期待されている。 　L3Harris Technologiesにより設計、構築されたNGRSTの光学望遠鏡アセンブリは、遠くの宇宙からの微弱な赤外線を捉える最先端の主鏡と、精密に設計された追加の9枚の鏡で構成される。このアセンブリは宇宙望遠鏡の「目」として機能し、宇宙の謎を解き明かす。 　3億画素の赤外線カメラを搭載したNGRSTは、夜空のより広い範囲が観測できる。さらに極低温で動作するように設計されており、内部ノイズを最小限に抑え、遠くにあるかすかな物体を検出しやすくなっている。 　「携帯電話に複数のカメラがあり、広角やズーム画像を撮影できるように、NGRSTはジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡（James Webb Space Telescope：JWST）と協力し、さまざまな視点から宇宙を調査する」と、NASAで望遠鏡組み立てを担当するJ. Scott Smith氏は海外メディアのSpace.comに説明している。