【毎日書評】発達障害のナレーターが働きながら実践している「すぐに環境を整えるライフハック」
書類整理は年に4回と決める
書類は気づかぬうちに増えていくもの。そこで著者は、重要な書類は「専用の引き出し」にすぐ入れ、提出しなければならない書類はよく見える場所に貼り出しているそうです。そうなると「さほど重要ではない書類」をどう整理するかが気になるところですが、こちらに関しては、紙袋を活用すればなんとかできるのだといいます。 私は、仕事関係の書類、子供の学校関係の書類、習い事関係の書類、郵便物など、カテゴリー別に分けて、別々の袋に入れています。そして、どこに分類したらいいのかわからないものは、「分類できないもの」として別の袋に入れます。(62ページより) 書類がたまってしまう原因としてよく見られるのが、「いまは必要ないけれど、のちのち必要になるかもしれない」「目を通しはしたけれど、捨ててしまうのはなんとなく不安だ」「思い出がある」などの“妙な感情”。そこで、そういった感情を紙袋に預けてしまうわけです。ポイントは、とりあえず3カ月はそのまま入れ続けること。 そして最後の書類を入れてから3カ月が経ち季節が変わる頃、紙袋の中身を改めて確認してほしいのです。 ほとんどの書類は、もうずいぶん前のものになっているはずです。3カ月間、一度も必要にならなかったら、何の躊躇もなく、ごっそり捨てることができるでしょう。(63ページより) 日常的に、細かい書類整理や分類をすることは、著者のようにADHDを持つ人にとってはかなりのストレスであるようです。その時間を手放して、好きなことややるべきことに時間を使うためにも、3カ月に一度、ごっそり捨てられるタイミングで書類整理をするべきだということです。(62ページより)
たったひとつのクリアファイル術
カバンのなかにぜひ入れておいてほしいものとして、著者はクリアファイルを挙げています。自身もクリアファイルに、「その日必要な書類」「近々必要になる書類」「公共料金の振込用紙」など、肌身離さず持っていたほうがいいものをすべて入れているのだそう。 外出先での空き時間などにクリアファイルのなかを見なおせば、公共料金の支払い忘れなども防ぐことが可能。また、大切な書類の内容を見返したり、仕事に備えて下準備をしたりすることもできるわけです。 1日の中で書類をもらうタイミングは数限りなく訪れます。その都度、クリアファイルへさっと入れていきます。カテゴリーごとに細かく分ける必要はありません。さっと入れる。これが最大のポイントなのです。 書類を入れるものとしては、ジッパー式のものや、パチンと蓋を閉められるようなファイルもありますが、これは避けましょう。なぜなら書類を渡されるタイミングはさまざまだからです。(64~65ページより) ジッパーや蓋をいちいち開けることすら難しいシチュエーションがはあるもの。そんなときには、カバンのなかに直接書類を入れてしまうかもしれません。しかし、そうなってしまうと、書類整理は崩壊してしまうことに。そうした事態を避けるために、シンプルなクリアファイルが役立つわけです。 だからこそ、書類をなくさないためには、とにかくクリアファイルに入れてひとつにまとめるべき。そして帰宅後は、クリアファイル内にある「今後あまり使わない書類」を、上述した紙袋に移しておけばいいのです。(64ページより)