居酒屋のワタミによる買収で不安の声もあるが…日本サブウェイ買収で克服できる「最大の弱点」
サブウェイはメニューやブランド、オペレーションに自信があることからフランチャイズを比較的優位に獲得でき、勢力を拡大してきた歴史があります。これが過去に、日本のフランチャイズ拡大の失敗事例として知られる「いきなり! ステーキ」とよく似た現象を引き起こしたのです。 つまり比較的少ない投資予算で店舗開業ができ、かつ商品力があるブランドであることから、フランチャイジー獲得に関して売り手市場の立場になってしまい、結果として同じサブウェイの店舗同士が競合になってしまったのです。
日本でこれから成長するためにはサブウェイのサンドイッチを求めるファン層が多い場所を開拓していかなければなりません。その知識は当然、本国よりも日本市場に精通したローカルパートナーに頼る必要があります。その点で出店戦略というのはワタミが非常に強い分野です。 そして3番目の強みとして日本の飲食市場の需要に対する理解力があります。 先述したようにサブウェイには需要のピークが昼に集中するという弱点があります。これは日本とアメリカの文化の違いが根底にあります。アメリカではディナーでサンドイッチを食べるのは普通なことであり、かつサイズも大きくて大丈夫です。
しかし日本人はサンドイッチは昼食メニューだという文化的な思い込みがあります。それも女性が主要な顧客ということでサイズはいわゆるハーフサイズを注文すればおなかいっぱいになる人が少なくありません。 この思い込みを変えていくためには、さらに日本の市場に根付いた商品開発が必要です。日本人の夕食に向いたサブウェイのメニューはどうあるべきなのかを、具材やサイドメニューの開発だけでなくそもそもの量の在り方を含めて検討する必要があるでしょう。この点はワタミの力がとても期待できる部分です。
ちなみにサブウェイの場合、モーニングのメニューがまだ普及していないのも弱点のひとつです。サブウェイでは店舗によってはより小さなサイズのサンドイッチをモーニングメニューとして提供していて、これは市場ニーズにはかなりフィットするメニューのはずなのです。 しかし現在はまだこれが店舗限定でしか提供されていません。たとえば東京にはサブウェイの店舗が59店舗あるのですが、モーニングセットを提供しているお店は22店舗だけです。