居酒屋のワタミによる買収で不安の声もあるが…日本サブウェイ買収で克服できる「最大の弱点」
根強いファンが多くいる一方で、日本市場では伸び悩んでいるサブウェイですが、戦略コンサルタントとしての視点で見て、私はこのタイミングでのワタミが運営に参画することは非常に面白いと思っています。そのことを3つの切り口から解説したいと思います。 ■理由1:オーダー方法という弱点の克服 世界的に人気のサブウェイが日本での成長がなぜ限定的だったのでしょう。専門家の間では2つ要因があるとされてきました。そのうちのひとつが、本来サブウェイの強みである「その場でオーダーできる健康的なサンドウィッチ」というコンセプトそのものにありました。
というのもパンの種類がそもそも4種類、サンドウィッチの中身の種類が20種類あるうえに、有料のトッピングも10種類あります。さらに野菜を頼めば増量してもらえるなど注文方法に柔軟なカスタマイズができるのです。 この本来強みになるはずのオーダーの仕方が実は初心者やライトユーザーにとってはマイナスになったようです。日本人は食の好みが多様であることから本当はこういったカスタマイズ方式は喜ばれるもののはずなのですが、この方式があるせいでサブウェイを避けたいという人が一定数出てきたのです。この現象は実はこれからお話しするサブウェイのもうひとつの弱点と重なっておきます。
もうひとつの弱点とは、サブウェイは一般のファストフードとは違い、需要がランチタイムに集中する傾向があるのです。ランチタイムで後ろに行列ができている状況で、メニューを見ながらオーダーを考えるのをそれなりにプレッシャーだと考える利用者は少なくなく、結果としてお店から足が遠のくケースが出ていたのです。 ところが近年、この弱点が克服されつつあります。その理由が飲食店全般で普及が進んできたスマホによる事前オーダーにあります。サブウェイでもセルフオーダーに慣れた顧客が増え、余裕をもってカスタマイズを選び、注文したサンドイッチをピックアップする形にユーザーインターフェイスが変化しています。